異世界のアフレクションネクロマンサー700
リーフは、ドラゴンの手の中で力無く項垂れ、抵抗する事無く運ばれる。
「……とにかく、君の仲間の所へ行こう」
アフレクションネクロマンサーを捕まえて脱出逃してしまい、手にしているのはエルフの女性。
これでは作戦の失敗……だが、
(アフレクションネクロマンサーと一緒にいた者か……)
アフレクションネクロマンサーは「狂わせる」者、誰かの運命を狂わせている。
(この人が、狂わされた人なら……)
まだ、一縷の希望はまだある。
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「リーフ……」
「待つしかあるまい……あの子はアフレクションネクロマンサーなのだ……」
ベルガとビレー達は、赤い森の中に閉じ込められた自分達は身動きをせずに、大人しく息を潜めていた。
何が起きているのか分からない状態で、頼りであるアフレクションネクロマンサーとはぐれ、リーフはアフレクションネクロマンサーの力を使えないと嘆く。
赤い森の中で争う音が聞こえ、その音がこちらに来ない事を祈っていると、戦う音はやがて止み、赤い大樹が崩壊していった。
何が起きたのか分からなかったが、赤い濁流は意思を持っているかのように、我々の所を避けて、崩れた赤い大樹を流す。
濁流に巻き込まれないように、みんなで身を寄せ合っていたが、
「礼人!!!!!!」
何かを感じたリーフが、赤いモノの濁流の中に飛び込んでしまう。
「リィィィィィフゥゥ!!!!!!」
飛び込んだリーフを連れ戻そうとベルカも飛び込もうとしたのを、
「待つんだベルガ!!!!」
「オヤジ!!!!」
「あの子はアフレクションネクロマンサーだ!!!!この赤い濁流に飛び込んだのも、何かの導きだ!!!!」
あの時、空を浮かぶ巨大な化け物に、一度敗北を喫したアフレクションネクロマンサーはリーフだった。
ならば今回も、リーフがアフレクションネクロマンサーの所に行くのは、必然なのかもしれない。




