異世界のアフレクションネクロマンサー698
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『『『ボト…ボトボト……ドッッボォンンンン!!!!』』』
「赤い森が集まっていく……」
周囲にある大樹が朽ちて、地上に倒れると、そのまま『ズルズル』と一本だけ反り立つ大樹の方に流れていく。
赤いモノが川のように地上を流れ、次々と朽ちた赤い大樹を運んでいくのを、レインは翼を羽ばたかせて、安全な所から様子を見守る。
「贖罪…か……」
アニーさんが、最後に言っていた贖罪、その言葉の重さは、自分が慰めた所で軽くなる物では無い。
こうして一本、十本、百本と……アフレクションネクロマンサーとアニーさんがいる、大樹へと集まるのを見守りながら、せめて、アニーさんの心が救われるのを……
「礼人!!!!!!」
「……!!!?」
これから、起きる事を見守ろうとしていた矢先に、赤いモノの濁流に飲み込まれている、エルフの女性がいる。
「何をしている!!!!」
『バサッ!!!!』
翼を広げて、濁流に飲み込まれているエルフを引き上げるのだが、
「離して!!!!礼人が!!!!」
「暴れるな!!!!」
女性のエルフは、暴れてしまう。
普通のエルフなら、抱き上げてしまえばこちらのものだが、如何せん、体がオークのように大きいせいで、暴れられるとバランスが取れない。
「くっ…仕方無い……」
本当なら、敵対する相手なのだから助ける必要も無いが、アニーさんの贖罪を邪魔させる訳にいかないのと、あのアフレクションネクロマンサーの名前を言った事で、助けざるを得ない。
体を大きくするイメージ……ドラゴンの姿をイメージして、
『メキメキメキメキッ!!!!!!!!』
鱗の赤い、通常のドラゴンの姿になって、エルフの女性を手に掴む。
「離して!!!!あなたには関係無い事でしょ!!!!」
「関係ありますよ。その礼人というのはアニーさんの愛弟子で、助けるために、あぁしている」
「アニーさん……?」
それは礼人から聞いた、大事な人の名前。
可能性はかなり低いが、どうしても取り戻したい魂と言っていた。




