表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1247/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー696

一族の呪い……アフレクションネクロマンサーを崇拝する事に疑問を感じず、挙句の果てには、アフレクションネクロマンサーを生み出すという方法すらも模索し、その犠牲者が礼人になってしまう。



(あの日…私が命を燃やして、鉄騎兵を始末すれば、全て問題無く解決したのに……エアリア…あの空を浮かぶ妖怪を創り出したのも、私です)



ギークギラからの報告で、エアリアとアフレクションネクロマンサーの戦いの詳細を聞かせて貰ったのだが、



(アフレクションネクロマンサーが、エアリアを倒したと聞いた時は胸が(おど)りました……アフレクションネクロマンサーになった礼人が、私の創った傑作を退けたと……けれど、アフレクションネクロマンサーが一度死んで、その後に、霊力が使えるエルフの手によって生き返って、エアリアを堕としたと聞い時から、不吉な予感を感じ続けていたのですが…………)



その報告は、自分の愚かさを再認識させた。



死んだ人間が生き返るという事は有り得るには有り得るが、礼人の死はその「有り得る」という話では無い。



肉体から離れた魂が戻り、息を吹き返したのではない。



ギークギラから聞かされた話では、礼人は一度赤いモノに取り込まれて繭になっていたと……その時から礼人の肉体は……



この言葉を言うのは、とても辛い……けれど、そのとても辛い事から逃げたら、それこそ礼人を裏切る事になる。



アニーは、赤い大樹の中に眠る礼人を見つめて、意を決すると、



(礼人…君は妖怪化してしまっている……)



自分がしてしまった最大の過ちを、言葉にする。



霊能者の妖怪化……元の世界にいたのなら、街を一つ封鎖し、全ての霊能者を総動員し、全ての武装の使用を認めて、消滅させないといけない存在。



それ程までに危険な存在にしてしまったのは、自分が創り出したエアリアが原因。



(礼人、あなたが強くなったというのは、戦略的な戦い方をした事だけではありません。赤いモノを受け入れてもなお、仲間を守る為に、赤いモノを制御していますね)



礼人は、妖怪化した自分を制御している。



赤いモノに完全に乗っ取られていたら、みんなを飲み込んでいただろうが、礼人の霊能者としての誇りが、超えてはいけない一線を守り通している。



(その精神力は、もう子供とは言えない……あなたは立派な霊能者です)



アニーは、礼人の成長ぶりを褒め称えると、赤子に手を差し伸べる母親のように、赤い大樹へと両の手を広げる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ