異世界のアフレクションネクロマンサー690
周囲に生えている赤い大樹が光で焼き払われ、光を浴びた赤いモノが消失していく……
『オォオオォオォオォオオゥオォォォォォ…………………………』
のだが、それと同じように光の爆発も消失していく。
最初の爆発した時の勢いは、目を覆う程に眩く光り輝いたが、それも一瞬だけ。
打ち上がった花火のように、パッと光り輝いてい消えていく光の爆発。
爆発した勢いが消えて、光の中に残されているのは、
「はぁっ…はぁっ……はぁっ…………………」
口から息を切らし、肩で息をする白金のドラゴン。
「なっ…なっ……」
「何が起きた」そう言いたいのに、口から声が出ない。
「ぐっ…がっ……」
体内で電を最大に溜めて放出する必殺技……それに霊力を合わせた究極の一撃。
周囲にいる敵を焼き払うだけでなく、力がある限り、その範囲を無限に広げる事が出来る反則とも言える技。
ドラゴンの威厳を見せ付ける為に、周囲の赤い大樹を焼き払おうとしたのだが、
「なに…が……」
体が疲弊し切っている。
十分な休息、十分な食事、十分なマナ……ここまでの距離もしっかりと把握して、無理をしていない。
完璧に仕上げた状態でここに来ている、完璧に仕上げた状態だから、丸一日全力で戦えた……のに、
「はぁっ…はぁっ……はぁっ…………………」
疲労が体の中で爆発している。
翼を今すぐ休めたい…地上に降りて座り込みたい……まるで丸一日、全力で戦ったかのように体が悲鳴を上げている。
(何かをされた……?そうじゃない……何かをされたとしても、今ので全てが消されているはず……)
体内で電と霊力を最大に溜めて爆発させたのだ、例え、手の甲に赤いモノが触れた時に、何かを仕込まれたとしても消滅している。
『『『ブッッジュゥゥゥッバッッサァァァァツッッ!!!!!!!!!!』』』
「ぐっ…ぐぅぅ……」
何をされたのか分からないまま、超弩級ドラゴンの手に掴まれてしまう。
まだ体は白金の状態、掴まれてただけでは体を侵食されないが、
「がっ…がぁぁ……」
弾く事が出来無い。
残されたマナを心臓に流し込み、霊力を高めて、この状況を……
(レイン!!!!力を体を小さくして、地上に降りなさい!!!!)
(この声は……)
この状況を打開する為に力を込めようとしたが、自分の名前を呼び声が頭に響く。
この声には聞き覚えがある……この声は自分に霊力を教えてくれた……
(早く!!!!)
「ア…ニー……さん……」
異世界から来た、霊能者の魂。




