異世界のアフレクションネクロマンサー689
「このっ!!!?」
手を大きく払って、張り付いていた赤いモノを飛ばす。
染み付いている訳では無い、手が痺れたり、奪われて感覚が無くなったとかではないが……それでも、白金の体に、霊力で覆われている体に張り付いて来た。
体に張り付くだけでダメージを与えて来ないが、これは由々しき事態。
自分が乗っ取られたアフレクションネクロマンサーに王手をかける前に、こちらが詰められている。
(どうやったというんだ!!!?)
幽霊、妖怪、霊力……それは自分にとっては未知の世界。
乗っ取られているとはいえ、向こうは本家のアフレクションネクロマンサー。
この白金の体に対して、何かしら対抗策を見付けるというのは順当な話……しかし、あまりにも早い。
こちらが解決の糸口を……糸の先を探しているという所で、向こうは糸を絡めてきた。
久しぶりに感じるゾッとする感覚……色を手にしてからは、どんな相手でも互角か格下で……
(……残されたとしても神話に出て来る始祖)
世界を創ったというドラゴン。
それは、人でいう所の神のような存在であり、一人で世界を覆すと言われたドラゴン。
色を持つ者達は、その始祖の片鱗を手にした者と言われているが……
『『『『『ブッッジュゥゥゥッバッッサァァァァツッッ!!!!!!!!!!』』』』』
(いや!!それは今、考える事じゃない!!!!)
『『『ジュゥゥゥゥ!!!!!!!!』』』
邪念を振り払って、目の前から迫る、超弩級ドラゴンの手を始末するが、それを見越しての数で押し切る超弩級ドラゴンの手。
怪我も、乗っ取られている訳でも無いが、ドラゴンの体が赤く穢される。
「舐めるなよ……」
体が痛む訳でも無く、乗っ取られる訳でも無く……ただただ、赤いペンキをぶちまけられたかのように、体を 汚されるだけなのだが、
「俺はまだ、アフレクションネクロマンサーの力を手にしてから日が浅い……それ故に、霊力という面では劣っている……だが、それでも越えられ無いものがある……」
これ以上、この舐めた行いに我慢するつもりは無い。
『パチッ……パチパチッ……』
イメージをする……いつもの切り札を。
白金のドラゴンから、白い光が迸り、
「種としての優位……そればかりは越えられない……アフレクションネクロマンサー……お前に出来るか、この技を?」
体を中心にして光が溢れ出て、
「うおぉおぉぉおぉおぉぉぉおぉおぉぉおおぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」
『バッババッババッババッバッバッゴォオオォオォオォオオゥオッッ!!!!!!!!!!!!』
光が爆発する。




