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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
124/1400

黒い海41

縮む距離に合わせて触手が礼人を捕まえようと伸びて来て、


(くそっ……)


さらに差が詰まる。


このままでは、現世に帰る前に大きな鯉に捕まってしまうと、分かっていても反撃すること無く泳ぎ続ける。


こんな危険な状態なら反撃しても良いように感じるかもしれないが、礼人は子供を吸収して力を発揮してしまっている状態であり、ここで反撃に転ずるということは、子供の残された生命力を使う事になってしまう。


このままでは危険なのは間違い無く、どこかで反撃に転じなければならないのは間違い無いのだが、


(反撃出来たとしたら、2回位だろうか?)


限られた中での逃走劇、三層目と二層目の繋がる道から逃れて二層目に入った時、


「触れるなぁ!!!!」


経文で身を守っていたはずなのに、触手は難無くと入り込んで礼人の靴底を舐める。


気持ち悪い__


雨が降る中、傘を差さずに歩いたせいで靴の中が雨で満たされてグチュグチュとするような、不快な感覚が靴の中に溜まる。


この不快な感覚をすぐにでも払拭したいと、触手を払い除けて靴を脱ぎ捨てたくなるが、礼人は靴の中に溜まる不快感を我慢して羽に力を込めると黒い海の中を一気に舞い上がる。


ここで、礼人が嫌悪感を振り払いたいが為に反撃をしなかったのは正解であった。


足を舐めた触手を払い除けた所で、大きな鯉との距離を離すことは出来ず、靴底を舐めた触手は一本かもしれないが、その近くにはいくつもの触手が追い付こうと伸びて来ていた。


もし、払い除けるという選択をしていたのならば、足を舐めた触手に貴重な二回のうちの力を一回使った後に、後から追って来た触手を払うために残りの力も使って終わっていただろう。

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