異世界のアフレクションネクロマンサー684
剥げ落ちた赤いモノが、紙吹雪となって舞う。
ドラゴンの身から溢れ出る力場が風を起こし、赤いモノの欠片を我が身から遠ざける。
「……………………」
赤いモノに染められていたドラゴンの目が、鋭い目付きになっている。
ドラゴンというだけで高貴なる存在……その中でも色を持つ者は、特に希少種。
昔のように、ドラゴンに触れただけで死罪となる時代ではなくなったが、それでも重罪であるのに、色を持つドラゴンに触れるというのは、考えられない行為。
「そう……俺は黄金のドラゴン……雷をその身に宿し、単なるドラゴンの上をいく者……」
しかし、それを言い換えれば、下賤な者に、我が身を触れさせるという、己自身の未熟の証。
「良いだろう……見せてやろう……」
リディ達の為にとはいえ「逃げる」「もうダメだ」等と……情けない言葉を使って、乗っ取られたアフレクションネクロマンサーを誘き寄せる為に……腑抜けのようなマネをして……
『バッッチィィィ!!!!!!バッッバッッバッッバッッバッッバッッバッッバッッバッッ!!!!!!!!!!!!!!』
体に纏わりついていた赤いモノが剥げて、消滅してそこに現れたのは……
「見せてやろう……雷の力を備えたドラゴン……それすらも超えた新たなドラゴン……」
白い光を身に纏った、白金のドラゴン……赤いモノを……霊を消滅させる事が出来る彼は……
「出来るようになったんだよ……怨霊を消し去る事が出来る……俺もそうなんだよ……お前達風に言うなら、俺も異世界のアフレクションネクロマンサーだ」
ドラゴンの彼もまた、アフレクションネクロマンサーである。




