異世界のアフレクションネクロマンサー682
一つの山のように大きなドラゴン。
赤い森が、赤くて巨大なドラゴンと化す。
「来たのか……」
逃げ出していた時から、この状況は予想していた……乗っ取られたアフレクションネクロマンサーが、疲弊した自分を捕えるために、自ら目の前に現れる事は予想していた……しかし……
『ウゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥウゥゥゥ………………!!!!!!』
ここまで、大きなモノが出て来るとは予想していなかった。
唸り声……呻き声……どちらとも捉える事が出来る鳴き声を上げながら、自分の方を見つめ、
「来る…!!」
超弩級ドラゴンが手を上げると、小山が空に浮かび、
『ウゥォオオォォォオォォオオォ…………!!!!!!!!』
超弩級ドラゴンの鳴き声が響くと、浮かんだ小山が落ちて来る。
落ちて来る小山、自分の体を奪おうと伸ばされる手。
それに対して、潰されないように走る自分。
超弩級ドラゴンの体が大きいからといって、決して鈍重ではない。
しっかりと、逃げる自分のコースを読んで、超弩級ドラゴンの手が落ちて来る。
ただ走って逃げるだけでは、潰されてしまう。
迫って来る巨大な手、それが頭上までに迫ると、足元に大きな影が生み出されて、
「ここだ!!!!」
このタイミングで、足に力を込めて、横っ飛びに影から逃げ出す。
超弩級ドラゴンの手が、自分の事を追い潰そうとするタイミング。
そのタイミングで、虫が人間の魔の手から逃れるように横っ飛びに逃げ出せば、
『ドゥッオォォォオォォオォオンンンンン!!!!!!!!』
小山のように大きな手は、何も無い地上を叩く。
足を止めずに、この隙に、超弩級ドラゴンから離れて……
『ザッパァアァァァァァアアァァァアァァ!!!!!!!!』
「なっ!!!?」
離れてしまおうとしたが、地面に叩き付けた大きな手が、地面に叩き付けた水風船の破裂して、
「うっ!!!?」
大きな手に内包されていたお赤いモノの液体を、体全体に浴びてしまう。




