異世界のアフレクションネクロマンサー673
それは炎を自在に操り、炎を使役している事の証明。
ドラゴンにとっては炎を纏う等、造作も無い事だが、
「お前達には出来ない事だろ」
「………………」
アフレクションネクロマンサーを乗っ取ているモノ達には、到底出来た技では無い。
「猶予をやる。アフレクションネクロマンサーから離れろ」
「…………」
力の差を見せ付けた所で、最後の警告をする。
さっきは、ドラゴンになれなかった者達に対しての、非道な行為をするなという説得だったが、今回は違う。
今回は、お前達を消すと名指ししている。
この世界から自分達が消滅したくなければ、大人しく引き下がれと警告したのだが、
「ひっ…ひひっ……ひぃひひぃひひいぃぃぃ!!!!!!!!」
乗っ取られたアフレクションネクロマンサーは、引きつった笑いを浮かべると、周囲の赤いモノを噴出して、炎を模倣しようとしているのか、グニュグニュと波打ちながら、体の周りで踊っている。
「……それがお前達の応えか」
こたらの姿に対する見よう見真似の行為は、警告を聞かずに抵抗するという宣言。
「面倒な捕り物になるが……仕方無い!!!!」
右手を、乗っ取られたアフレクションネクロマンサーにかざして炎の珠を撃つが、
「ひゃぁひぃひっひぃぃぃ!!!!!!」
乗っ取られたアフレクションネクロマンサーも、同じように右手をかざすと、赤いモノの大きな玉が飛び出して来て、
『ボッヂュウ!!!!』
炎の珠と、赤いモノの大きな玉がぶつかり合うと蒸発して、目の前に、周囲の視界を奪う赤い霧が立ち込める。
『バサンッ!!!!』
乗っ取られたアフレクションネクロマンサーは、どこからでも、攻撃を仕掛ける事が出来る事を考えれば、視界を奪われて不利なのは自分の方、翼を羽ばたかせて赤い霧を吹き飛ばして視界を取り戻すのだが、
「なにっ!?」
赤い霧を吹き飛ばした先に現れたのは、四本の赤い大樹であった。
突如として現れた四本の赤い大樹……赤いモノに姿形が無いといえど、一瞬の合間に大樹を四本も生み出せるのかと驚くが、
「……アフレクションネクロマンサーはどこだ?」
それよりも、あの大きな蝶の羽を持っていたアフレクションネクロマンサーが消えている事の方が、問題であった。




