異世界のアフレクションネクロマンサー662
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「フレン!!」
「分かってる!!」
機銃車の銃弾が仲間のオーク達に降り注ぐ。
リザードマンのように硬い鱗がある訳でも無いオークにとって、機銃車から撃たれる弾丸は致命的で、防ぎようの無い攻撃に、オーク達は悲鳴を上げながら次々と地面に倒れていく。
「このまままじゃ……!!」
「分かってる…分かってるが……!!」
遠くで次々と倒れていくオーク達、本当ならすぐにでも機銃車の総指揮官の所に行き、攻撃を止めるように言いたいのだが、
『『『パァッァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!』』』
あの巨大なリザードマンのような化け物のせいで、そうも言えない。
機銃車の弾丸は、前線にいるオーク達に命中してしまい、多くの者達を負傷させているのだが、機銃車が撃たなければ撃たないで、巨大な化け物に殺される。
「どうすれば……」
機銃車の攻撃は、オーク達ごと狙いながら巨大な化け物を撃っている……しかし、致命傷にはなっていない。
巨大な化け物は、翼を広げて頭の前で折り重ねると、翼の盾を作って弾丸を防ぎつつ、オーク達を殺している。
巨大な化け物の翼は、弾丸の勢いを殺してしまい、思ったような効力を上げていない。
ならばいっその事、撃つのを止めればと思うかもしれないが、そうすれば翼を閉じて視界が開けている状態の巨大な化け物が、襲って来てしまう。
それに、あの翼を開いているという事は、あの巨大な化け物も弾丸は嫌がっているという証拠。
ここで撃つのを止める訳にはいかないが……
「「「うわぁあぁあぁああぁぁあああぁ!!!!!!」」」
「「「がぁああぁあぁぁああぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」
あちらこちらと聞こえて来る悲鳴は、助けを求めている。
「くそっ……」
「ぐっ……」
フレンとアルフアは、一秒考えるだけで被害が出続ける状況この状況で、何とか答えを出そうとしていると、
「アルフア様、フレン様、オーク達を犠牲にしてエルフの皆様を下がらせて下さい」
「何を言って……!?」
オーク達を犠牲にしろという言葉を発した者がいたので、仲間を助ける考えを放棄した者を叱責しようとしたのだが、
「これは総指揮官の命令です」
本陣からの、伝令の者が側にいた。




