異世界のアフレクションネクロマンサー661
圧倒的な力を前にしては、オークはあまりにも非力で、対抗も、抵抗も何もあったものじゃない。
次々と食い千切られる仲間達。
アフレクションネクロマンサーが抑えてくれている自分達の所は良いが、アフレクションネクロマンサーがいない周りは化け物に襲われて、ひとたまりも無く、全体で見れば化け物に押し込まれている。
「急いで下さい!!取り残されます!!」
「…………」
「ベルガ様!!」
部下の言う通り、このままここにいても何一つ出来る事は無い。
それに周りで捕食している化け物が、横からこちらを狙って来ないという保証も無く、その時に、アフレクションネクロマンサーがこちらを守ってくれるかというと、正面から迫る化け物と四苦八苦している状況を見れば、それは期待出来無いというのは嫌でも感じてしまう。
「すまない……」
ここに居ても我々は何も出来ない、アフレクションネクロマンサーだけでも、この状況でも生き残れる……それを分かっていても、アフレクションネクロマンサーを置いて行く事に罪悪感を感じながらも……
『『『バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッ!!!!!!!!』』』
「「「うわぁあぁあぁああぁぁあああぁ!!!!!!」」」
「「「がぁああぁあぁぁああぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」
「なっ…なんだ!!!?」
アフレクションネクロマンサーを置いて、後退しようとした時に、後ろの方から機銃車の発砲音が聞こえて聞こえて来たのだが、それと同時に悲鳴も上がる。
悲鳴自体は、あの化け物に襲われている時から聞こえていたが、それはあくまでも襲われている者が叫んでいる箇所であって、こんな全体的に聞こえて来るものでは無かった。
しかし、耳に聞こえるのはあちらこちらからの仲間達の悲鳴、何が起きたのかと慌てて振り向くと、
「な…なんて事だ……」
機銃車の攻撃が、仲間に降り注いでいる。




