異世界のアフレクションネクロマンサー659
「ぢぃぃいぃぃいぃぃぃ!!!!」
T-REXもどきの顔中に空いていた穴が塞がっている。
T-REXもどきは、苦しみのまま闇雲に、リザードマン達を捕食していたのではない、傷を癒す為に、自らの意志で共食いをしていたのだ。
目にリザードマンの姿が見えていようが、耳にリザードマンの悲鳴が聞こえようが、舌触りでリザードマンと分かろうが、怪我を治す為なら躊躇しない。
そして、怪我さえ治ってしまえばT-REXもどきが捕食するのを止めるのを、リザードマン達も知っていたのだろう。
『パァッァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!』
「「「「「グゥウゥオォォオォオオォォォォォオォォ!!!!!!!!!!」」」」」
T-REXもどきの咆哮が再び上がると、逃げ惑っていたリザードマン達も咆哮を上げて、再び襲って来るが、
「なぁめるぅなぁなななあななんあななぁぁぁああぁあぁ!!!!!!!!」
礼人は、肥大化したドス黒い羽を羽ばたかせると、
『ドスッ!!!!ドスッ!!ドスッ!!!!ドスッ!!ドスッ!!!!ドスッ!!ドスッ!!!!ドスッ!!ドスッ!!!!ドスッ!!ドスッ!!!!ドスッ!!』
「ぐぇえぇえぇぇえ!!!!!!」
「ぎゃぁあやあぁ!!!!!!」
地面から生えた無数の赤い刃物によって、リザードマン達の体が貫かれて、モズの早贄のように宙に浮かぶ。
体を赤いモノに貫かれても、体がなまじ強靭なだけに即死できずに、苦しそうに声を上げると、
『グゥオォォォオォォオォオオォォォォォオォォ!!!!!!!!!!』
『バギバギゴギィ!!!!!!』
「「「ギャァアッァアァ!!!!!!」」」
「ばけげものがぁ!!!!」
その声に反応して、地面から生えた赤い刃物で体が傷付いたT-REXもどきが、串刺しにされているリザードマン達を次々と捕食しながら前に突き進んで来る。




