異世界のアフレクションネクロマンサー658
「うぁぁああぁあぁぁあぁぁぁぁあぁあぁ!!!!!!!!」
オーク達が引き下がる中、礼人は雄叫びを上げる。
背を見せて走り出したオーク達を、狩る者が見逃すはずが無い。
T-REXもどきは、間違い無く背中を見せているオーク達を襲って被害を出す。
ただ闇雲下がるしかない状況では、被害が出てしまうのは仕方無い事ではあるが、
「お前えぇえぇぇ達をぅぉおぅをぉぉおをぉおおぉをおぉ!!!!!!まもぉぅるうぅぅぅうぅうっぅぅぅうぅ!!!!!!!!」
少しでも被害を減らそうと、この状況を打開しようと、礼人が赤いモノを吸い上げると、背中のどす黒い蝶の羽が肥大化する。
いつもは自分の体より少し大きい位の蝶の羽が、成長する木のように大きく育つ。
それは見ただけで身の毛がよだつものを感じさせるが、
『パァッァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!』
化け物であるT-REXもどきは怯まない。
T-REXもどきは、目の前にいる者を殺そうと大きな口を開けて噛み付こうとするが、
「じぃねぇえぇえぇえぇえぇぇぇええぇえぇぇ!!!!!!!!」
開いた口に、礼人が手をかざすと、腕から赤いモノが噴出してT-REXもどきの口一杯に赤いモノが満たされる。
『ぶしゅぅうぅすうぅっすう!!!!!!!!』
そして、T-REXもどきの口に満たされていた赤いモノが、赤い刃物へと姿を変えて、口の中から顎、喉、頬、頭と赤い刃物が貫通する。
『ドスゥン!!ドスゥン!!ドスゥン!!ドスゥン!!』
口の内部から頭を顔を破壊されたT-REXもどきは、叫び声を上げる事も出来ずに、苦しみによって悶えて大きな足をバタつかせて礼人から距離を空ける。
ズタズタにされた顔からおびただしい血が流れ、視界を得る事が出来ず、ドタドタと明後日の方へと歩き、ズタズタにされても辛うじて動く大きな口を広げて、
『バギバギゴギィ!!!!!!』
「「「ギャァアッァアァ!!!!!!」」」
こっちへと向かって来ていたリザードマン達を捕食してしまう。
「ばぁがめぇえ!!!!!!」
共食いだ。
T-REXもどきは目を潰されて、口がズタズタにされているから、自分が何を襲っているのか分かっていない。
次々と仲間を襲うT-REXもどきに、リザードマン達が悲鳴を上げる。
「くえ!!!!ぐえ!!!!」
T-REXもどきの恐怖を、自らの身をもって知ると良い……捕食されまいと逃げ出すリザードマン達、これでどちらも混乱して、場は乱れて……
『……グル…ゥゥゥゥ』
場が乱れるはずだったが、顔がグチャグチャになり、喉を潰されたT-REXもどきから唸り声が聞こえると、逃げ惑っていたリザードマン達の足が止まる。




