異世界のアフレクションネクロマンサー653
『『『ドォォォン!!!!ドォォォン!!!!ドォォォン!!!!』』』
次々と打ち上げられていく赤い花火。
それが何かの攻撃かと身構えたが、
「……なんのつもりだ」
空に打ち上がる赤い花火から怨念を感じる。
多分になってしまうが、爆薬に混ぜて赤いモノが混ざっている。
「いや……そもそもリザードマン達も、赤いモノを取り出す技術があるのか?」
礼人は、空に上がる赤い花火から怨念を感じる事で、冷静さを取り戻す。
あれ程、殺意に支配されていた感情から解放され、いつもの考える癖が出ている。
「出来損ないの人魚……?でも、あの程度じゃ形にはならない……」
元にいた世界でそうだったが、怨念だけで強力な幽霊になるのは異例中の異例。
怨念が混ざる爆弾を、赤い空に打ち込む事で反応させようとしているのなら、正直無駄な行動。
何かしらの母体になるような物が無ければ、
「無意味だ……」
空に上がった怨念が、地上に降りて来る。
「…………」
一体何をしたいのか?気を逸らす為の囮?もしそうなら、怨念を混ぜる理由とは?
『『『ドォォォン!!!!ドォォォン!!!!ドォォォン!!!!』』』
次々と、空に打ち上がって行く怨念の爆弾を注視する。
「…………」
その行いは無意味だが、それでも何かをしようとしているから、怨念が混ざる爆弾を打ち上げている。
何をしようとして、何を望んでいるのかと見上げていたが、
『ドゴォォン!!!!!!』
「っ!?」
すぐ横で大きな音が響く、布が被さる大きな荷物から気配を感じる。
殺意にまみれていたとはいえ、周囲の警戒は怠っていない。
『ドゴォォォン!!!!!!ドゴォォォォン!!!!!!』
それにあれほど殺意が高まっていたのだ、逆に、命がある者が側にいたら反応していたはずで……
『ドゴォォォォォン!!ドォォォォォォン!!!!』
「そうか!?やられた!!」
礼人の目を誤魔化したその方法は、
「遺体に魂を戻したのか!!」
死んでいた肉体に、怨念を宿らせたのだ。




