表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1201/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー650

何の躊躇も無く引き下がって行く、後方で備えていた者達。



元から犠牲になる事を想定しているからこそ、助けるための援護も無ければ、指示を出す事すらしない。



凶暴化したリザードマンは、自分達が見捨てられている事すら知らずに突っ込んで来る。



「最低だな……」



礼人は、この光景に反吐を吐いてしまう。



凶暴化したリザードマン達は、仲間を助ける為に命を捧げようとしているのではない、逃れられない苦しみに耐え切れずに、死に物狂いになっているだけ。



苦しむ者達を攻めるにも逃げるにも利用して、自分達はおめおめと逃げる姿はあまりにも情けない。



「殺してやる…………」



唇が震えて目が涙で濡れる……絶対に許せない……絶対に復讐してやる……心の底で憎しみが渦巻く。



礼人の背中から蝶の羽が伸びるのだが、礼人の感情に反応したかのか、蝶の羽が腐った血のようにドス黒い色をしている。



残された理性で銃弾の雨が止むのを待ちながら、逃げ出していくリザードマン達に狙いを定め……



『ゴォン!!ゴォン!!ゴォン!!ゴォン!!ゴォン!!ゴォン!!ゴォン!!ゴォン!!』



「突撃ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!」



後方からの射撃を止める合図が鳴り、ベルガが大声で突撃の合図を叫んだのを合図に、



『ヒュッン!!!!』



礼人はドス黒い羽を羽ばたかせて飛翔する。



「「「「「うぉぉぉおぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉ!!!!!!!!」」」」」



一人突出して飛び出した礼人を見て、オーク隊は雄叫びを上げながら突進を始める。



今のオーク達の士気は最高潮。



いつもは自分達の命で、血みどろの攻守を決める争いから始まる。



前線に立った者達同士でぶつかり合い、互いに命を消費して、残った者達の数が多い方が攻めて、残った者の数が少ない方が守りを固める戦い。



まるで能の無いゲームのような攻守の決め方。



血と死で、最初の勝負の行方を占う戦いは、まるで花占いをするかのようにあっけなく、そのあっけない占いで、多くの者達の亡骸が千切られた花びらのように地面に散る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ