異世界のアフレクションネクロマンサー648
目に見えない鳥が、地面を啄んで砂塵が舞う。
目に見えるのは、地面が弾けて砂塵が舞う光景だけだが、そんな異常な光景を見たら、まともな神経をしていれば足を止めるなり警戒をするだろう。
「「「「「「ギャァァァアァアアアァッァァァ!!!!!!」」」」」」
だが、凶暴化したリザードマン達には、そんなのを気にしている余裕等無い。
自分体の苦しみをぶつける事だけを考えるリザードマン達は、弾ける地面へと戸惑う事無く走り、
『『『『『『ガッギガッギガッギガッギガッギガッギガッギ!!!!!!!!』』』』』』
鱗に、目に見えない鳥がぶつかる音が響く。
横一面に広がった凶暴化したリザードマン達から響く音、それは木琴の全ての盤を激しく細かく叩いているかのように、乱暴に掻き乱される音。
人間ならば、この時点で地面に倒れて、身動き一つ取らない肉となって転がるのだろうが、
「「「「「「ギャァァァアァアアアァッァァァ!!!!!!」」」」」」
凶暴化したリザードマンは突き進んで来る。
「リィィィィフさぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!!」
「サンダァァァァウェェェェェェブ!!!!!!」
これは予め予測していた事。
フレンからの見立てで、初手は百はくだらない、凶暴化したリザードマン達が捨て石にされると踏んで、そこで、もう一度機銃車の評価を判断して欲しいと言われ、礼人も機銃車の見立てをした。
檻の中に閉じ込められているリザードマンを狙う時は一ヵ所を狙えば良いが、平野に散らばった無数のリザードマンを、しかも丘の上から狙うとなれば、弾丸の命中率は悪いに決まっている。
正直な話、機銃車だけで凶暴化したリザードマンは押し返すのは難しく、乱戦になれば機銃車も同士討ちをしない為に、撃つのを止めてしまう。
そうなれば単なる肉弾戦の殴り合いになり、間違い無く大きな被害が出る。
そこで礼人が提言したのが、機銃車の弾丸を利用させて貰う方法。
『『『『『バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!!!!!!』』』』』
機銃車の総指揮官との約束で、このラインを超えたらという所に、エルフ隊が電気の壁を発生させる。




