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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1198/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー647

________



『ゴーーーン…ゴーーーン…ゴーンゴーンゴーン!!!!!!』



「鐘が鳴いておるぞ!!全員身構えろ!!」



「「「おぉ!!!!!!!!」」」



鎧を着たビレー達、前衛組が(ひざまず)いて鉄の岩と化す。



「攻撃隊オーク前に!!エルフ隊構え!!」



「「「おぉ!!!!!!!!」」」



「「「はいっ!!!!!!」」」



ベルガの指揮で、鉄の塊のハンマーを持ったオーク達が前に出て、エルフ達が自分の身長と同じ、大型の杖を握る。



(頼むぞ……)



霊力とマナを高めて敵に身構える礼人は、後ろに目線を送る。



最前線に立つ礼人、背中を預ける者達が不安であった。



フレンからの命令で、自分達、前線組は身動きが取れない。



自分達の真後ろにいてくれるオーク、エルフは万が一の保険。



実際は、後方に備える機銃車が自分達の命綱。



少しのトラブル、予想以上にリザードマンに効果が無ければ、多くの仲間が死ぬ。



あの時の実演で機銃車の性能は分かっている……しかし、それと同時に機銃車の事件も聞かされている。



機銃車の弾丸をすり抜けて来るリザードマンは絶対にいる。どれだけの傷を負わせる事が出来るのか……



「くるぞぉぉぉぉぉ!!!!!!」



「……っ!!!?」



後ろに視線を向けて、意識を後ろに向けてしまって、前の状況が疎かになってしまった。



ビレーの大声に慌てて前に向き直すと、筋肉が異常に膨張して半乱狂と化したリザードマン達が、一直線に向かって来ている。



(また自分は!!)



また一人で惚けてしまった。



(落ち着け……ラインは越えていない)



もしもの時を考えて、このラインを越えたら自分とエルフ達の攻撃を始めて良いと定めている所は越えていなかった。



争いが始まっているという状況で、胸を撫で下ろすというのもおかしな話だが、冷や汗が首筋を伝うだけで済む。



(…早く……)



一切の反撃をせずに、敵をこちらに誘い込む行為。



それ自体は、元居た世界でもした事がある……が、それはあくまでも礼人なら大概の悪霊も妖怪も対応出来るからであって、今回のような、どう転ぶか分からない状況では、気がそそろになってしまう。



リザードマンが、この場所まで来たら撃つと約束された場所まで後少し。



(……気を高めろ!!)



そのラインさえ超えてくれれば、こっちだって動きようがある。



ちゃんと撃ってくれるのか、撃たれないのか……最初の答えが出るラインに凶暴化したリザードマン達が入り込むと、



『『『バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッ!!!!!!!!』』』



後方から破裂音が聞こえたかと思うと、数秒後に自分の頭上を何かが飛んで来て、地面の土を弾けさせた。

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