異世界のアフレクションネクロマンサー646
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「……緊張するな」
「いつもと違うからな……」
丘の下に陣を取ったフレンとアルフア。
本当なら、丘の上に陣を取って周囲を見渡すのが定石だが、その丘の上には機銃車が陣取っていて、自分達がいられる場所が無い。
平地に移動櫓を組んで、その上からみんなを見守っている。
一番前を担当するのは鎧を着用した防衛隊のオーク達、その中にはビレーとアフレクションネクロマンサー様もいる。
その後ろにはベルガ達の攻撃隊が身構え、その後ろでリーフが率いるエルフ隊がいる。
そして、その態勢はアルフアの方も一緒。
指揮系統が混乱しないように単純ではあるが、横一列の陣形の中心から右側がフレンの軍、左側がアルフアの軍と分けてある。
こちらの準備は万端。
いつリザードマン達がやって来るのかと待っていると、地平の先から、こちらに向かって来ている群れが見えた。
「リザードマンが来た合図を鳴らせ!!」
『ゴーーーン……ゴーーーン……ゴーーーン……』
それは全軍に、リザードマンが来た事を教える鐘の音。
鐘の音を聞いた者達は、スズメバチの襲来に備えて身震いするミツバチのように軍が鼓動する。
遠くに見えるリザードマン達も、軍隊を展開しながら平地に陣地を築いていく。
こちらと同じように櫓を組んで、横一列に隊列を組ませる。
「頼むぞフレン」
「任してくれ」
この作戦は機銃車がメインとなるが、機銃車の攻撃が届く距離まで、リザードマン達を引き付けなければならない。
(頼むぞ…アフレクションネクロマンサー……ビレーさん……)
せめての心遣いなのだろう、リザードマン達を引き寄せる囮になる自分達に、合戦の合図を任されていて、
「鐘の音を縮め!!これより戦闘に入る!!」
『ゴーーーン…ゴーーーン…ゴーンゴーンゴーン!!!!!!』
ゆっくりと間隔を空けて鳴いていた鐘の音が、跳ね上がる心臓のように鐘の音の鼓動が高まる。




