異世界のアフレクションネクロマンサー632
「フレン様方!!至急フレシア様の下へお願い致します!!」
部屋の中に飛び込んで来たエルフの顔は顔面蒼白で、震えている。
「敵襲ですか!?リーフさん!!周囲の警戒をお願いします!!」
「は…はい!!」
礼人の指示で、リーフは霊力を高めて周囲の状況を確認するように頼むが、
「違うのです!!総統の遣いの方が来てるのです!!」
「何だと!?」
それだけで、礼人を除いた者達の表情が固まる。
「総統…総統というのは、国の最高指導者という事ですか?」
「すまないが、迎えに行くのが先だ!!」
フレンに手を掴まれて引っ張られ、みんなも走って部屋から飛び出す。
「それで遣いの方はどこに!?」
「拠点の広場に!!」
「あのフレンさん!?」
「これだけは分かってくれ!!総統の命令一つで、街が消される!!」
「分かりました!!」
聞きたい事は、その総統の遣いというのが、どれほどの存在なのかという事だったので、そこだけ分かれば、遣いの人がどれほどの人物か理解する事が出来る。
フレンに連れられて、拠点の中から広場へと出ると、
「フレン……」
そこには、雨に打たれてしょんぼりとする仔犬のように、困り果てているアルフアがいた。
総統に遣わされたという人は、こちらを見るとすぐ様に一礼して、
「フレン様、この度の拠点奪還お見事でした。この働きはニードゥス様だけではなく、総統もお喜びになられるでしょう」
「はっ!!身に余る光栄です!!」
礼儀正しい口調で、自分達を労ってくれる。
「アフレクションネクロマンサー様も、御無事で何よりです。これ程の急な事に力添えをして頂き、心より感謝します」
「気遣い、感謝致します」
その礼儀正しい口調に、礼人も乗っかる様に言葉を返す。
フレン達が、遣いからの対話に対処している間、礼人は声を発さずに大人しくして耳を傾ける。
しかし、その内容はとりとめのない話で、ここまでの道中、たった数日でここまで来れた事に付いての話。
話の内容はとてもじゃないが、遣いの者を寄こしてまでするような事では無く、一体何の為に、ここに来たのかと首を傾げる想いであったが、
「どうやら来たみたいですね」
(……まさか!?)
遠くから、聞き覚えのある音が聞こえる。




