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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
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黒い海36

多分、これが一番良い方法なのだろうと思いはするものの、


(……マナが足りない)


この黒い海に来る前に公園で休息を取ったお陰で霊力はある程度回復していたが、マナはあまり補充することは出来ていなかった。


草木が茂る公園といっても、周囲を建物や舗装された道路が近くにある都会の中では、休息を取っていてもマナの補充は時間が掛かってしまう。


霊力に結合させるマナが足りないこの状況で、考えられる一番良い方法をした場合。


切り付けている黒い血管は切れるが、幽霊の血が壊れた蛇口のように溢れ出ている中で、もう片方の足に結合している黒い血管を切れるのかという心配。


黒い血管を切ることが出来たとしても、幽霊の血で汚された礼人に経文を閉じた後、周りの黒い海に圧迫されることなく経文を再び展開出来るかという問題があった。


上手くいけば良いのだが、上手くいかない確率の方が濃厚な状況ではやってみようと思える状況では無いが、


(……時間が無い)


タイムリミットはそこまで来ている。


黒い海の底に連れて行かれるのが先か、経文の中を幽霊の血で満たされてしまうか……そう長くは持たない。


この考えはダメだと思っても、次になんとかする方法を思い付くには……


(助けて……)


「…………」


自分の腕の中で泣く魂に視線が向いた瞬間、礼人の思考が止まった。


多くの問題という客を乗せた電車を終点の駅に送り届け、終点で新たな問題が乗り込まれては最初の駅に戻り、そこで新たな問題を抱えては何度も何度も走らせていた思考が止まった。


それは考えることを諦めて思考を止めたからではない、乗り込んだ問題が一気に解決する方法見つかったからだ。

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