異世界のアフレクションネクロマンサー613
また想像を怠った……自分が死ぬイメージを。
(あれ程の力を持っている者を感じておきながら…この体たらくか……)
「何とでも出来る」「何とでもしてみせる」それらの考えが常に先行しているから脇が甘い。
いつまで経っても、戦場に出ているというのに……
(……考えるな!!今出来る事をするんだ!!)
戦士になり切れない自分に、嫌気を感じている場合ではない、ここは戦場なのだ。
「アフレクションネクロマンサー様!?」
「妙ですね……このリザードマンは、普通のリザードマンなのですか?」
礼人は自分の事で悩むより、凶暴化したリザードマンに付いて頭を使う。
凶暴化したリザードマンの血に触れただけでも、指が痺れる程の感覚がして、試しに、胸の肉片を切り開いてみると、
「これは……焼けてる?」
肺が焼けて所々が炭化しており、心臓も熱でやられて白みがかっている。
初めて見るリザードマンの内側だが、それでも、異変を覚えるには充分な物。
後方を務めていたエルフが前に出て来ると、リザードマンの胸の内側を確認してから、嫌そうに首を小さく横に振って、
「可哀想に…このリザードマンは、身分の低いリザードマンだったのでしょう……何かしらの薬か何かで、死の兵士にされたと思われます」
「死の兵士?」
「我々のいう所の鉄騎兵です……リザードマンは、生きた者を薬漬けにして身体能力を高めた兵士を生み出すのですが、それをされた者は必ず死にます……堪らないですよ。我々もリザードマンも、身分の低い者は、このような仕打ち受けても、誰にも咎められません」
身分が低い者の命は、死んでも構わない……それは敵も一緒だと思うと本当に救われないと、エルフは溜息を吐いた。




