異世界のアフレクションネクロマンサー610
見た目は、そのままのリザードマンなのだが様子がおかしい。
奇声を上げながら口から涎を垂れ流し、目が震えて焦点が合っていない。
体も変に膨張して、ゴム人形を無理に膨らませたかのように、筋肉が膨れ上がっていて……
「この野郎!!」
『シッャァァァァァァァ!!!!!!』
まるで、オークのような肉体を持ったリザードマンが襲い掛かる。
飛び掛かって来るリザードマンに合わせて、オークの右拳が飛び出し、リザードマンの胸を殴るが、
『シッャァァァァァァァ!!!!!!』
後ろに吹き飛んだリザードマンは、すぐに態勢を立て直して平然と襲って来る。
「化け物ぐわぁ!!!?」
三体の異常なリザードマン、その一体がオークに飛び付く。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
分厚いオークの皮膚に、軽々と食い込むリザードマンの爪。
オークの体から血がこぼれる
「離れろぉぉぉぉぉがっぁ!!!?」
しがみつかれたオークを助けようと、仲間がハンマーを振り上げるが、リザードマンの尻尾が鞭のようにしなると、それだけでオークの腕が深々と裂けてしまう。
こうなってはどうにもならない、組みつかれたら終わり。
筋肉が膨張して、オークのような見た目をしているから、オークと同等なのではない。
比べるとしたら筋力がオーク、俊敏性がリザードマンで、そこにマナを炎に出来るだけリザードマンの
方が優れている。
オークの方が劣ってはいるものの、それでも筋力は勝っているからこそ、優劣の部分があると言って比べる事も出来るのだが、唯一のアイデンティティである筋力が同じだというのなら、もうオークは明確に劣等種になってしまう。
その明確な差、優等種と劣等種が出会ったらどうなるか?その答えはもちろん……
『グゥゥゥ…………』
「あっ…あっ……」
捕食される。




