異世界のアフレクションネクロマンサー605
「でしたら、この先は我々に任せて下さい。みんなには私達から説明します」
アフレクションネクロマンサー様である礼人は頼みの綱。
尖兵せんぺいに任せる危険な任務に、携たずさわらせる訳にはいかない。
アルフア達は、犠牲者を出す形になるのを承知で、礼人を下げようとするが、
「待って下さい、私は常に前に出ます」
「犠牲者を出さないようにと、お考えになっていらっしゃるなら、お気持ちだけで」
「いえ、そうじゃないんです」
「そうじゃない?」
それは礼人の望んでいる事ではない。
「アフレクションネクロマンサー様、先程も言いましたが、我が軍の士気が高まっているのは、アフレクションネクロマンサー様のお陰です。尖兵に行かせてアフレクションネクロマンサー様に死なれたら……」
「私以外にも、アフレクションネクロマンサーがいたとしたら、その心配は無いでしょう」
「アフレクションネクロマンサー様以外の、アフレクションネクロマンサー様……?」
アルフアは、礼人に言い聞かせるように今一度、アフレクションネクロマンサー様の立場を教えようとしたが、もう一人のアフレクションネクロマンサー様という言葉に、アルフアとフレンは目を丸くし、
「アフレクションネクロマンサー様!!」
ビレーは、礼人の言葉を止めようと大きな声を出して威圧する。
ビレーは知っている、もう一人のアフレクションネクロマンサーの正体を。
さっきの物語を話す中で、礼人も伏せたからビレーも、その人物の名を伏せたのにこれでは……
「ビレーさん、覚悟を決めて下さい…私は異世界のアフレクションネクロマンサー……この世界を本当に救う者ではありません」
「異世界のアフレクションネクロマンサー……?」
「そうです。他の世界から来たアフレクションネクロマンサー達が、この世界を救おうとしても救えなかったのは、この世界の者達ではなかったからだと推測してます」
「それは……」
それは礼人の言う通りで、名立たるアフレクションネクロマンサー様達がこの世に現れては、世界を変えようと奮闘し、爪痕を遺しては例外無く死んでいった。




