異世界のアフレクションネクロマンサー602
呼びされた礼人は、リーフと一緒にアルフアの所へと向かうと、フレンとビレーも待っている。
「アルフア様方」とい言っていたのだから、他にも誰か待っているではと思っていたので、それは特に気にならないのだが、もう天幕を用意していた。
「あの今日の進行は?」
「今日はもう、ここで休息を取ります」
「もうですか、私なら全然大丈夫ですが」
アルフアがこちらに気を使って、休息の準備をしているというのなら、遠慮しないで欲しいと思ったが、
アルフアは首を横に振ると、礼人の体を心配しているという訳では無いと告げる。
「いえ、今日中に、ここに辿り着き付きたかったのは、この先の調査をする為です」
「調査ですか?」
「地図をご覧下さい」
テーブルの上に広げられている地図を見ると、そこには自分達を表す青い駒が置かれていて、
「これは……」
「これは仮想敵になります」
敵を表す赤い駒も置かれている。
それ自体はこちらの世界にもある物だから、気にするような事では無いのだが、
「ここから先は、軍を進めるには細くて蛇行した道を進んで行く事になります」
その地形が問題であった。
リーフ達に連れられて、拠点から逃げ出した時は数十人だったからこそ、気にも留めずに山の中を隠れるように進んだが、普通はあんな山の中を進行したりしない。
「横からの奇襲が……」
「そうです。敵は、ここに来るまで待ち伏せを何度も行って来ました。となれば、森の中で待ち伏せをしない訳がありません」
「なるほど…だから、調査が必要なのですね」
「この細道を、何の準備をしないで進むのは自殺行為ですから」
これはイヤらしい道だ。
拠点に補給物資を運ぶとかで、ただ進むだけなら曲がりくねって進み辛い道で済むが、これが進行戦となると話が大分変わる。
縦一列に道を進む……それは蛇が細い筒の中に入るような状況になり、一度進めば前衛と中衛はもう引き下がれないし、進む事しか出来ない。
例えば前の方で奇襲を受けたとした場合、細い道ゆえに、中衛より後ろの兵士達は前に出る事が出来ずに、前衛が何とかするまで待つことになる。
逆に後衛を襲われれば、中衛より前は前に進まなければならなくなり、分断させられる。




