異世界のアフレクションネクロマンサー584
しかし、小国相手とはいえ、国を潰すのが世間的に許されるのかというと、そんなのは気にしなくて良い。
現代みたいにSNSが発展して、誰でも情報を発信出来る時代の話では無い。
大国同士で話を付けてしまえば、小国を潰した所で誰も気付かない。
もちろん、そんな事にならないように、小国は大国の犬になる事で加護を受けていたが、ドラゴンを手にすれば、大国と対等になれると色めき立ったのがいけない。
粛清のジェノサイド。
プロペラで飛んでいた戦闘機がジェット戦闘機となり、プロペラで飛んでいた戦闘機が、戦闘ヘリへと姿を変えて侵攻を始める。
物量と最新兵器を使っての殲滅作戦。
見限られた小国には、大国の暴力に対抗出来る訳も無く、一方的に滅ぼされたが、それでも大国は苦戦を強いられた。
それはドラゴンの存在。
とんでもない話なのだが、最初の一体のメスドラゴンが、数か月という短い期間で何十体というドラゴンを産んでいた。
生き物の中には、一回の性交で一生産み続けるのもいるのだが、メスドラゴンそれをやってくれたのだ。
最初のメスドラゴンは、まるで女王アリの様に卵を産み続け、子供達はある程度大きくなると、人間というエサを食しながら縄張りを広げる。
色んな所でドラゴンの目撃情報があがり、対応するために向かった戦闘ヘリ、陸戦隊を乗せた輸送ヘリが向かうが、ドラゴンの空を舞う動きに翻弄されて、組みつかれては地上に落とされる。
ならば、陸戦隊をそのまま行かせればどうなったかというと、持ち前の体の硬さを利用しての炎を吐きながらの突撃。
火炎放射器よりも熱く、一瞬で周囲を火の海に変える吐息は、多くの兵士に命を奪う。
唯一の対抗策は戦闘機と戦車。
本に残されていた通りに、空を飛んでいるジェット戦闘機でドラゴンを撃ち落とし、地上で待機していた戦車が止めを刺すという方法は、現代でも有効打であった。




