異世界のアフレクションネクロマンサー559
ドラゴンも連れていかれる。
命の血が尽きて、ドラゴンも死ぬ。
遺されたのは、周囲にいる生きた人間。
生き延びた者がいるというのに、ドラゴンが死んだというのに、誰も喜ばない。
英雄になるはずだった者を失った絶望は、指揮官が死んだ時に味わったというのに、それがまた繰り返された。
英雄と、英雄になる者の死によって戦いは幕引きされたが、地を這うドラゴンの存在は、新たな戦いの幕を開ける。
空を飛ぶドラゴンに対して、地を這うドラゴン。
両方を同じ名前で呼称するには、性質が違う名を与えられる。
それはグランドラゴン。
英雄を屠った「大きな」障害としてグランを付け加える事で、戒める名前を与える。
そして、この新たなる障害は、新たな問題を作り出す。
連合国を造り出した敵国との戦いは、一筋縄ではいかずに、侵攻するのに、それなりの時間が掛かってしまっていたのだが、その「それなり」の時間のうちに、ドラゴン達によって陥落させらた国が存在してしまった。
ドラゴン達は、滅ぼした国で繁殖を行い、それと同時にドラゴンよりも小さく、数を揃えられるグランドラゴンを生み出して一大帝国を造りあげて、周辺の国も襲う。
勢力図としては、我が国と連合国、連合国とドラゴンとなり、連合国が挟まれる形となっていたのだが、それが、最悪な状況を生む原因になる。
連合国は、ドラゴンに襲われている状況だったにも関わらず、助けを求め無かった……属国になるのを拒否して。
我が国と連合国の戦争は、ドラゴンを守る盾となり、連合国はドラゴンを倒す事が出来ずに、ドラゴンの勢力を広げる手助けとなる。
助けを求めた兵士達によって、連合国は瀕死になっている状況が発覚した。
裸の王様達が集う国。
状況が分かったのなら、裸の王様達の国を潰すのは簡単だった。
ドラゴンの恐怖に晒されている、兵士達を救えば良い。
初めてのグランドラゴン戦は、下準備をしていない状況での戦い。
本気で準備した状況では話は違う。
爆撃機と銃兵、重装兵との組み合わで、グランドラゴンを倒す。




