表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1104/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー553

同じように、長い棒の取っ手を掴むと、カチャっと動き、空間がある。


そこに、鉄の塊を入れると綺麗に収まる。


取っ手をもう一度掴み、カチャッンと鳴らして、鉄の塊と自分の勇気を閉じ込めると、勇気ある男の姿を思い出す。


ドラゴンの胸に剣を突き立て、心臓を貫こうとした姿。


自分には分かる……後1歩だったのだ。


剣の先に脈動を感じ、もう少しの何かがあれば、剣先は届いたのだ。


だから、死ぬ運命と、生き残れるかもしれない運命という、運命の天秤が掛けられた。


今からしようとする事は、本来、自分がする必要が無い事。


運命の天秤を預かり、傾けるのは、勇敢なる男の雛達……けれど、こういうのも良いのかもしれないと思える。


血が繋がっていなくても、同じ国に生まれていなくても……1度は怯えて逃げ出したとしても……意思を継いで、もう1度立ち向かうのも許される。


亡骸のポーチから、残りの弾丸を握り締め、ドラゴンの方を振り向く。


ドラゴンは前からの弾丸に気が向いて、横に外れた自分には気付いていない。


長い棒の様な物を胸に抱え、身を屈めて、中腰で走る。


この武器が、遠くから使う物だと見て分かっているが、それでもドラゴンに近付く。


離れて心臓を撃ち抜けるなら、他の者達が、すでにそうしている、そう出来ないから、逃げている。


やるには、見様見真似しかない……あの男の様に。


自分が、ドラゴンに向かっているのに気付いた兵士達が、撃つのを止めようとしたが、続けてくれと手を仰ぐ。


まだ、この距離では仕留められない、もっと近付かないといけない。


こちらが何をしようとしているのか、勘付いた兵士達は、バラバラに撃っていた弾丸を、ドラゴンの顔に集中させてくれる。


ドラゴンは、顔に集中する弾丸に、まるで雨がぶつかって来たかのよう目を細める。


弾丸の雨。


弾丸を防ぐ為に、白い膜を覆って目を守ってるのに、目を細めたら、さぞ見にくくなるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ