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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
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黒い海28

もう間に合わない。


規則を破ってでも、大きな鯉に攻撃を仕掛ける?


(それはありえない……)


大きな鯉を始末してしまっては、この黒い海は救われない。


ここであの魂を救えなかったからといって、誰も責めることは無い。


黒い海を何ら準備をしないで泳げる程の、礼人と同等クラスの者は世界中を見渡してもそうはいない。


そもそもが黒い海に沈みこんで、魂を見付けたという事自体が異常なのだ。


陣頭指揮を執れる二月、稀代の才能を持ち合わせていたアニーを無くした組織にとっては、礼人を失う事の損失は計り知れないものがある。


魂から作り出された妖怪は厄介だが、被害が出るとしても組織全体で立ち向かえばどうとでもなる。


逃げ帰るのではない。


大きな鯉を傷付けてはならない、今回の事は最初から対処出来なかった、そして、礼人自身が決して死んではいけない身……


それらを加味すれば、礼人が魂を見捨てて黒い海から撤退するのは許される。


礼人は一度目を閉じる。


自分の置かれている状況、残りの霊力とマナ……息を軽く「ふぅっ」っと吐くと力が漏れ出し、自分の為すべき事を決めると目を開き、


「寝仏北百八万之命他種祈願安……我が身を寄り代にし、その力で我らを守り給え!!」


経文を通して神に祈りを捧げる。


怨念の立ち込める黒い海の中で神の力が届くのか?万物を司る神が人間だけに味方をするのか疑問があるが、経文は礼人の願いに呼応するかのように力が高まる。

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