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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー546

水平に飛ぶならまだしも、上空に向かって昇って飛んでは、逃げようがない。


逃げ場も、助けも来ない場所へと逃げ込んだ戦闘機。


エースパイロットだけに許されるエンブレムが、泣いてしまいそうな動きだが、エンブレムが泣く事はない。


逃げることも、助けて貰うことも出来ない場所に来てしまったが、そんなのは大した問題ではない。


逃げることが出来なくても、戦うことは出来る。


被害が出ない場所に来たのは、ドラゴンを落とす為だが、ついでに言えば、ここで爆弾を落として、ドラゴンの目の前で爆発させても、問題無いということ。


戦闘機から落とされた爆弾を、銃手が狙い撃ちすると、ドラゴンの目の前で爆発して、追って来ていたドラゴンが地上に落ちる。


エースパイロットの戦闘機に乗っている銃手が、ドラゴンを指さす。


助けて貰う必要は無いと、落ちていくドラゴンを、同じように攻撃しろと指示を出す。


他の戦闘機達も、出された指示に従って、落ちてくるドラゴンよりも高く飛ぶと、爆弾を落として狙い撃ちする。


エースパイロットの方の銃手は、たった一発の弾丸で爆弾を射抜いたが、他の銃手達は苦戦する。


爆弾が楕円の形をしているせいで、中心を射抜かないとはじかれてしまい、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるという訳にもいかず、ドラゴンが羽を広げて再び舞い上がろうとしたが、エースパイロットの銃手が、仲間の戦闘機よりも高い所から、全ての爆弾を打ち抜くと、ドラゴンは爆発に巻き込まれて、とどめを刺される。


真っ逆様に落ちていくドラゴン。


街の中で怯え震えていた者達にも分かる、絶対的な存在の敗北。


誰が最初に声を上げたのか?


ドラゴンが落とされた後、少しの間静まり返っていたが、森の中を風が走るようにざわつき始め、次第に突風が吹くかのように、声が重なり合って、最後には人々の喜びの嵐が響く。


突然現れた何かは、自分達を助けてくれた救世主。


誰もが誰も、空に歓声を響かせて、救世主達を称えるのであった。

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