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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー539

王は、家臣達の後押し受けながら、将軍に連れられてバルコニーへと向かう。


そこは、街の大通りを見渡せる場所。


ここからなら、城に来る男を見付ける事は出来るかもしれないが、本当に見付ける事しか出来無い。


出迎えも、声を掛ける事も出来ずに、ただただ、男がやって来るのを見るだけになる。


こんな事を、こんな事が、男が望んだ事なのだろうか。


味気無いというのか、殺風景というのか……肩透かしな状況に、ほとほとに困り果てていると、突然、大通りが騒がしくなる。


民衆達の戸惑いの声に混ざって聞こえて来るのは、兵士達の大きな声。


兵士達は、大通りを歩いている民衆達を追い払っている。


あれが一体、何の為なのかと一瞬悩んだが、隣にいる将軍でハッと気付く。


これは、男がここに来る為に、兵士達に大通りを整理させている。


将軍は、男の願いを聞いて、それだけではと指示を出したのだろう。


男の、ドラゴンの死を見届けるという行為は、兵士達に勇敢な人物だと噂され、爆弾気球を上げる時も最前線に立つなど、危険を伴う行為だとしても、常に兵士達と共にあり、その心をガッツリと鷲掴みにしていて、将軍も男の胆力を認めている。


政治組には、いまだ男の事を村出身の田舎者と、毛嫌いする者もいるが、軍人達の方は、さといのに傲慢ごうまんにならない男を好んでいて、目の前の行為も、彼等なりの歓迎の仕方。


少々やり過ぎな所もあるが、将軍がこれを知らぬ訳も無く、将軍も認めての事。


パレードをして迎える訳にもいかないのだから、一刻も早く、城に辿り着かせる為と納得する。


人波が引いた大通り、ここを通れば嫌でも、男を見付ける事が出来る。


一刻もせずに来るはずの男、王は今か今かとソワソワしていると、将軍が一早く、男が来た事に気付く。


王は、将軍の言葉に目を凝らしてみるが、男の姿はどこにも見えない。


大通りの頭から、尻尾までなぞる様に見渡すが、それでも男の姿は見えない。

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