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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
黒い海
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黒い海26

現世に黒い海が幽霊や妖怪が来て街中で暴れ始めたりしてしまったら……人が死ぬ……世界を守るために関わった人を処理しないといけなくなる。


大切な人を奪われる苦しみの重さを夢に出るほどに味わっている礼人が、そんなことを許すはずも無く、霊力もマナもギリギリのラインまで来ていても、三層目に繋がる穴に飛び込む。


残されている霊力とマナを結合させて力を高めると、


(浮いてきたか……)


礼人の存在に気付いたのか、大きな鯉はその身をよじって、我が身のウロコを黒い海に放つと、ウロコはまるでシャボン玉のように闇を反射しながら浮いてくる。


一見、それはブラックパールのように鈍い虹色の輝きを浮かべて美しくも見えるが、


(時間があれば、すぐにでも成仏させるのに……)


礼人が見たブラックパールの中には何かの胎児がいる。


まるでタツノオトシゴのように平べったく細長い、この世に生を授かったばかりの姿、それは多くの種の始めの姿……ブラックパールの卵が浮かんでいく。


幽霊の卵が大きな鯉の体からはがれては、礼人の方へといくつも浮いてくる。


それは大きな鯉なりの譲歩なのかもしれない。


身体の中で作った幽霊の卵を礼人に寄こす代わりに、目の前の妖怪のコアとなる魂は自分の物だと主張しているかのようであった。


本当ならこの浮いてくる幽霊の卵も処理をしなければならないのだが、浮いてくる幽霊の卵と魂では等価交換にはなりえない。


霊力とマナを交えた力を手の平に集中させ、


「こっちは本気だぞ!!」


一本の光の矢を作り出して、大きな鯉へと放つ。

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