表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1066/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー514

「選択肢……?何を選んだんですか?」


「あいつは……未来で戦う事を選んだんだ」


「未来?未来ってなんだよ?」


少し言いよどんで、出した言葉。


二人の事を、慰められる答えを出そうとしたのもそうだが、それと同時に、


「あいつは生きる事が出来たんだ」


「生きる事が出来た?」


「そう、やろうと思えば俺の命を奪って生きれた」


「それが選択なのか?」


「いや『それも』選択出来たのに、生き返る事が出来たのに、それすらもしなかった」


「生き返る事も出来た?」


あいつが、生き返ろうとしなかった理由を求める。


「オレンジの液体から伸びた手に襲われただろ。あれは生命のスープ…生命の塊でな……色々と省いてしまうが…特殊な命に限って言えば…生き返る事が出来る…………多分」


「そう…なんですか?」


「お前…それ本当か?何となくで言って無いか?目が泳いでないか?」


「あれに付いては、分からない事の方が多過ぎるんだ!!色々とあるんだ!!」


あのオレンジの液体を説明しろと言われても、俺が用意した物じゃないのだから、出来る訳が無い。


「とにかくだ。あいつは生き返るのでは無く、この鎧を預けて眠りに付いたんだ!!」


「は…はい……」


「わーたっよ、納得してやるよ」


二人は渋々というのか……こちらが騙そうとして、言っているのでは無いというのは分かるらしく。


先程までの、しょげた雰囲気は無くなり、柔和そうな少年は少し戸惑い、気の強そうな少年は呆れている雰囲気がして、


「お前達…私が本気を出したら、お前達は手も足も出ないんだぞ?」


「そ…そうですよね……ドラゴンですから」


「お前みたいのがドラゴンと言われても、こっちはこっちで困るけどな」


威厳を保つ為にも、釘を刺してみるが、二人から緊張感が戻る事は無かった。


(ったく…これだから人間は……)


一睨みするだけで、いかなる生物が恐れるというのに、人間というのは……


「話を戻すか…あいつは生き返ろうとしないで、鎧を預けた……」


あいつから預かった鎧……あの時、あいつが生き返られるように、オレンジの液体に沈め、泡が沸き立って生き返ると思い、手を伸ばしたが、オレンジの液体から蘇ったのは『人間』の鎧であった。


その意味を考えて…あいつの思惑を察すれば……


「それは、今この世界で二人が揃っても、意味を成さないから……今も戦うべきかもしれないが……この先でも戦わないといけないから……俺達はバラバラの時代に生きて、戦う事を決意したんだ」


それが、あいつの答えだったのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ