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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー509

空を飛んで獲物を探すドラゴンが、木々を切り倒して、一か所だけ開かれている場所を気付かない訳も、平地に出来ている異質な場所を見落とす訳が無い。


ドラゴンからすれば、人が集まって生活する小さな場所など、ピヨピヨ鳴いているひながいる鳥の巣。


それに、普通の獣なら、人が集まる集落や村が出来てしまえば、数の暴力によって、強襲するのも難しくなるだろうが、ドラゴンは普通の生き物とは違う。


ドラゴンの巨体、圧倒的な力の差は、集落や村程度で抑え切れるものでは無く、人間の抵抗等感じられる事も無く、ただの餌として捕食していたはず。


しかし、それでも人間は繁栄している。


様々な土地で、様々な国で、様々な人種が、様々な文明を築き上げて。


たまたま偶然、どこかでポツンと繁栄している所があるのではなく、多岐たきに渡って繁栄している。


その矛盾を説明するには、一つしかない。


人間が繁栄していた所に、自分達が突然現れた……急に送り込まれて来たという結論でしか説明が付かない。


知恵の力が息吹き、町や街が生まれて発展していた、人間の成長を止める為に打ち込まれた抑制剤。


「エルフ共め…俺達ドラゴンを馬鹿にしやがって……」


最初から滅びる運命であったドラゴン。


繫栄すればエルフに狩られ、人間に滅ぼされたとしても、人間の成長を抑制出来る。


どう転んでも、エルフには旨味しかない話であったのだが、


「……でもな、そうはいかなかったらしいな」


ドラゴンは人間によって滅ぼされるが、それでも幸運はあった。


それは人間の急激な知恵の成長。


エルフの考えていた予想図は、人間が生き残ったとしても、文明が崩壊したボロボロな世界。


植民地にするも、消滅させるのも思いのままな世界で、声高らかに勝利の笑い声を上げるつもりであったのだろうが、


「人間は、ドラゴンに匹敵する力を手に入れた」


人間達は、それを阻止してくれるだろう。


滅びるか、崩壊したと勘違いして、この世界を支配しようとしたエルフ達は、この世界の発展した姿に驚き戸惑い、


『ボコッ…ポコ・・・』


「そして、俺達という存在に平伏ひれふす」


人間を滅ぼす為に送り込んだ、ドラゴンによって絶望する事になる。

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