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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー491

「アァッアァアァアアァァァァァァァアァァァァァァアァァァァアアァ!!!!!!!!!!!!」


叶わない願いをなげいて、覆せない現実を恨んでの悲痛な叫び声では無い。


確かにドラゴンの体はボロボロで、いつ息絶えても、おかしくない状況ではあるが、


『ドックンッ!!ドックンッ!!ドックンッ!!ドックンッ!!ドックンッ!!』


体の外から中まで傷付いたが、心臓までには届いていない。


普通の生物なら、傷付いた命の器の崩壊に巻き込まれて、心臓もやがては鼓動を止めてしまうのだが、


『ブチ…ブチブチ……メキ…メキメキ……』


ドラゴンの心臓は止まる所か、朽ちた肉体に命を注ぎ込む。


オレンジの液体から吸収した力が、ドラゴンの心臓と交われば


『ブチブチブチブチメキブチブチメキメキメキメキメキブチメキブチブチブチ!!!!!!!!!!!!』


命がほとばしり『人間』の器を自ら破壊して、真の姿に戻る。


________


「まっ…まだなのか……!?」


蒼い空と、雲の運河しかない世界でイカズチがとどろき、体を震わせる衝撃にひるんで、体を縮こませる。


間違い無く手応えはあった。


解き放った弾丸は、寸分の狂いも無くドラゴンに吸い込まれ、止めとなるミサイルが間違い無くドラゴンに喰らい付いた。


その結果をこの目で見た。


多分倒しただろうではない、間違い無く見たのだ、この目で。


ボロボロに傷付いた体に、命を引っ張られて堕ちていくドラゴンを。


傍目はためから見ても、決着が付いたのは明らかな状況であったが、


「これが…ドラゴンの生命力なのか……」


最期の最後で目が合わさった。


その目には力は無かったが、にごってもいなかった。


それは可能性。


そのまま地上に墜ちれば、透き通っていた目もいずれは濁り、涙を浮かべるように、死を浮かべてたかもしれないが……もしも…もしも……何かを切っ掛けに、命を燃えたぎらせたら、その目は……


『コォォォォォォォォォォォォォォ………………』


「うっ!?」


一度は、雲の運河に墜ちたドラゴンが……『人間』の器にドラゴンの命を満たしていた者が、


「グウゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」


真の姿である……真の姿に相応しい『ドラゴン』の器に命を戻して、神の領域に舞い上がる。

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