異世界のアフレクションネクロマンサー481
「前にも、ここに?」
「あぁ、どこまで飛べるか試したくてな」
少し視界が歪む感覚、下の世界にいた時には気付かなかったが、神の世界から見ると、世界が湾曲している。
違う世界にいる。
幻惑に惑わされているかのような光景は、
「ここに辿り着いたのは、自分達二人だけだろうな」
ここが、優れた生命体程度では来れない場所だと、認識させてくれる。
神が与えた世界を越えて、神の領域に辿り着いた二人。
二人は既に、選ばし種族を決めるという神の思惑を越えて、
「さぁ、戦おう。決して歴史に残らない戦いを」
「あぁ、始めよう」
本人達の意志とは関係無く、神に取って代わる者が選ばれる。
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『ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…ボッ…』
『ガシャン!!』
ドラゴンの周囲に、オレンジの光が次々と生まれ、それに対して、人間は右手を突き出し、突き出した右腕の下に、左腕を通してクロスボウのような十字を作る。
(数は…無数か?)
『シュゥゥゥ!!!!』
足に力を入れて、ドラゴンから少しづつ距離を取りながら、目を離さない。
ドラゴンの周囲に浮かぶオレンジの光は、ただの光ではない、命の塊。
ドラゴンから生み出されたオレンジの光は、次第にその姿を鳥の形に変えていく。
(数が多いな)
一つ一つのオレンジの鳥は脅威では無いが、これだけ集うと厄介この上ない。
黒曜石の硝子板は、ドラゴンにマークを付けて狙っているが、それよりも、
『ボボボボボォォォォォォォォォォンンンンンンンンン!!!!!!!!』
「来るか!!」
『グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウンンンンンンンン!!!!!!』
迫って来る、周囲のオレンジの鳥を先に落とす。
幾つもの鳥達が群がった大群が襲い掛かって来るが、後ろに引き下がりながら、右腕に内蔵されている機関銃が吼える。




