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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1024/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー472

________


「…………」


「…………」


「…………」


『ドッボォォォォォォォォォン!!!!!!』


「ぷはぁっ!!!!!?」


ドラゴンに腹を何度も貫かれて意識が途絶え、このまま闇に包まれて自分が消えていくという中で、


「危うく欠片になる所だった!!!!」


運良く、オレンジの液体の中に沈められたお陰で、意識を取り戻す事が出来た。


人間は、ドラゴンに腹を何度も貫かれて死んだのではという話だが、実際、人間は死んだ。


死んで肉体から魂が剥離し、肉は自然を循環させる肥料となり、魂は新たな命の欠片になるという道を辿る所であったが、ドラゴンがある予測をせずに、オレンジの液体に沈めた事で話が変わった。


その予測というのは、


「まさか、もう生まれた世界に還って来る事になるなんて」


このオレンジの液体から生まれた人間を元の所に還したら、再び蘇生するのではという想像。


この人間は確かに『人間』だが、あくまでも『人間』ベースの人間。


人から生まれたのではなく、オレンジの液体の中から生まれた『人間』


母なる海に還って来た人間の体は、オレンジの液体に満たされて、損傷した傷を癒し、


「はぁ…腹が元に戻って良かった……」


ズタズタにされて肉片が飛び出し、真っ赤に染まっていた腹が、真っ白な皮膚が綺麗に張り治されている。


お腹を擦り、ポンポンと腹太鼓をして無事に腹が治っている事に安堵するのだが、


「さてと…どうするか……」


腹が治っただけでは、何一つ解決していない事に頭を悩ませる。


傷が治ったのだから、もう一度戦いに行けば良い……とはならない。


根本的な問題として、


「ドラゴンに本気を出されたら…勝てない」


ドラゴンとの力量の差は明白にある。


宙返りからの蹴りを、本命である羽の付け根に当てられなかったとはいえ、それでも肩にはぶつけたのだ。


ドラゴンは間違い無くバランスを崩し、肩を痛めただろうが、本気を……いや、元から本気ではいたのだろうが、人間にまんまとやられた事に、ドラゴンとしての誇りが傷付けられたのか、あの時の迫って来た目に恐ろしいモノを感じ、対応しなければと体を翻そうとしたが、本気にプラスした『何か』には、太刀打ち出来ずに殺された。

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