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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー467

(奴が見せているのか……?)


いるはずの無い存在。


ずっと昔に…鋼鉄の鳥に食い殺された命。


僅かな時間を共に過ごしただけなのだが……


「ふふっ、街の中を飛んだ事は無いが…子供の時に飛んだ、森の中よりは飛びやすいな」


胸が締め付けられて、小さかった頃の事が思い浮かぶと、いるはずの存在に自然と声を掛けていた。


(そうか…これが人間の感情というモノか……)


体が怪我をして、病気になっという訳でも無いのに体が震えて痺れる。


それは、そこに餌場があるとか水飲み場があるという、覚えている事を思い出すのとは違う……


「こういうのを童心に帰ると言うのか?」


自分が手に入れた知識の中から選んだ言葉が、この感情に相応しい言葉なのか、ついつい聞いてしまうが、それに対して人間は、まるで死の間際に立ち会った生き物のように顔を歪める。


(そんなに変な事を聞いたか?)


言葉というものが、どれだけ優れているかは、こうして自分の考えを相手に伝えられる事から十分に理解しているつもりではあったが、考えている事を伝える以上の奥深さが残っている。


「さて追い付くぞ!!」


その言葉は、どちらに対して声を掛けたのだろうか?


目の前を飛んでいる人間?それともいないはずの存在?


自分でも、良く分からない感情に襲われながらも、目の前のモノに触れようとした瞬間、


「なに!?」


人間と、いないはずの存在が別れた。


いないはずの存在は、曲がり角を素直に曲がって行ってしまうが、人間は曲がるフリをしながら壁を足で走って宙で回転し、


「潰れろ!!」


「ぐっ!?」


こちらに目掛けて蹴りが放たれると、肩に直撃してバランスを崩して地上の方へと落ちる。


________


本命の一撃が当たった。


大きな体を持つドラゴンというイメージだけで、幼少期の小さい頃を想定せずに、小路こみちで飛ぶのは悪戦苦闘するという想像をしたの、少々詰めの甘さが出てしまったが、それは修正の出来る問題。


本当の狙いは、ドラゴンが経験した事の無い攻撃をする事。


曲芸に近く、実戦では使えないが、身体的能力を自慢する時に遊びでやる、壁を走って宙で回転する行為に、蹴りを組み合わせた攻撃を当てる事。

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