表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
1013/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー461

敵を叩きのめすとは違う「力」


もしもあの時に、人間の方がドラゴンの力を掌握していたら、


(殺されていた)


隙を見せた自分の方が殺されていたが、結果は生き残った。


生き残ったからこそ、手にした力がある。


人間がドラゴンの力を掌握する前に、こちらの手にした力を試す。


大振りな攻撃は、やはり人間に避けられたが、それは想定内。


「これは避けられるか!!」


「何を!?」


言葉を交えたのは、ちょっとした煙幕。


「言葉」という魔法、やられた側からすると分かるが、あれはズルい。


どんなに平静をよそおって、惑わされまいとしても、その時点で思考が回るのだ。


思考が回れば、それが正しかろうと間違っていようと集中力が欠ける。


だからこそ人間は漫然と、大振りな右蹴りの攻撃に対して正解である防御し、そこで満足した。


正解を出して、相手から間違いを引き出した……その心の余裕が、その後の尻尾を使ったはたきに対応出来無かったのだ。


尻尾に叩かれて体が傾いた人間は、完全に死の方向を見ていた。


それは争っている時に決してやってはいけない、視線を逸らすという行為。


視線を逸らせば、相手がこれからする動きを見定める事が出来なくなる。


手を出すのか、足を出すのか……見えなければ、どうやって逃げれば良いのか判断が付かなくなる。


(首を貰うぞ!!)


人間が横を向いて、体を横に傾けて……一撃で仕留められる場所を、致命傷になる所を狙う。


今度は、声を出さない。


何故なら本命の一撃だから。


これは相手をめる為の、見せる手札では無い、これは相手を仕留める為の切り札。


バランスを崩し、その辺りにいれば、どんなに動こうとも仕留められるという状況で、


『バッッサァァァァァ!!!!!!!!』


見えてもいないのに、最善の手である羽を使って上空に飛び上がるという選択を、人間はしてみせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ