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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー459

互いに距離を取って、睨みを効かせる人間とドラゴン。


互いに抱えている課題は違うが、


((勝つのは…先に克服した方だ……))


互いに考えているのは一緒。


ドラゴンも、動きを読まれた事には驚いてはいるが、だからと言って解決の糸口の見えない五里霧中という訳では無い。


「なるほどな…これが対人戦というものか」


ドラゴンの方でも既に、解決の糸口の先っぽを握っている


「ならば……!!」


『バサッン!!』


その解決の糸口から、勝利を手繰たぐり寄せる為に、再び接近戦を仕掛けて来るが、


「くぅ…!?」


『ババサァ!!』


こちらとしてはドラゴンの体に慣れたい為に、近付かないで欲しい。


接近戦というのは「人間」側の有利な土俵、そこで戦う分には、まだ負ける事は無いだろうが、


「もう一度避けて貰おうか!!」


「くっ!!」


それを続ければ、ドラゴンの「人間」としての熟練度が高まってしまう。


『ヒュッパンッ!!』


ドラゴンが、縮めた腕を伸ばしても、その大きさな動作では当たらない。


『ブンッ!!』


ドラゴンが、曲げた足を延ばしても、その大きな動作では当たらない。


その大きな動作では、私に攻撃を当てる事は出来無いのだが、


『ヒュッン!!』


大振りの攻撃が絶え間無く続いて、攻撃が止まない。


本来なら大振りの攻撃の後は態勢を崩し、カウンターを入れる等の危険を伴うのだが、


『バサッ!!バサバサッ!!』


ドラゴンは、羽を羽ばたかせる事で姿勢を維持し続ける。


(もうなのか!?)


最初に突きを入れられた時は、腕を弾いて態勢を崩したが、今度は崩れない。


「なるほどな…人間の体というのは興味深い」


ほんの数手交わしただけで、格闘術を学習していく。


乾いた鉢植えに水を注ぐように、ドラゴンはたちまちに「人間」を吸収し、


「これは避けられるか!!」


「何を!?」


言葉を交えての、大振りの蹴りを入れる動作を見せる。


(迷うか!!)


私と同じ戦法。


言葉を交えて、相手に邪念を生ませる戦法。


迷いは体を鈍らせて、迷いは体を硬直させる。


その有効さは、さっきのドラゴンに対する行いで証明されているが、


(種が明かされていてはな!!)


その証明をした相手に効くはずがない。


迷う事無く、首に腕を添えて大振りの右足に備えると、


『バッ!!』


ドラゴンの右足を見事に防ぎ、


「今度は…パッンッ!!!!』


防いだはずの顔に、クリーンヒットが入った。

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