IF1話 あり得ない
午後の授業で中庭に移動する。移動した後はイゼベル先生から、使い魔召喚の説明を聞いて、召喚するために紙を貰って各自で召喚を始める。エメリー様とエディスさんは、召喚に成功する。
「最後はラザの番だよ」
「そうですね。紙に魔力を流して・・・。召喚」
紙は光出してすぐに光は消える。そこにはウルフやフクロウでは無く、人型の女性が現れる。
「――――――む? 妾は呼ばれたか」
「・・・・・・嘘だろ」
オレは知っている。知らない方が可笑しい。この人は攻略対象の1人だからだ。何でオレの所で呼ばれたか分からないが、嘘だと思いたい。
「ら、ラザが凄いのを召喚した!?」
「ラザさん・・・。もしかしてその方は、精霊なのでは?」
「迷うごとなく精霊ですよ。でも。でも可笑しいだろ・・・」
「可笑しいとは何事だ? 妾はお主に呼ばれてここに来た。何1つ可笑しい所はあろう筈がないだろ。ほれ。はよ名前をくれぬか?」
「名前・・・。そうか名前だよな。名前はふら―――」
オレはすぐに右手で口を塞ぐ。
オレは何を言おうとしてる!? ここで確実にフランシス何て言ったら、オレが主人公になってしまうだろ!?
「ふら何だ? はよ続きを言わんか」
オレは右手を口からどかして、一度深呼吸をする。
「―――名前はプリシラ。貴女の名前はプリシラです」
「うむ。今日から妾の名前はプリシラだ。主よ。末永くよろしく頼むぞ」
プリシラがそう言うと、周りから驚きの声が聞こえる。イゼベル先生も驚いてる。
「まさか精霊を呼び出すとはな・・・。ラザ。精霊を召喚した者は少ない。そのお陰で研究も進んでいない。研究者や上級貴族共には気を付けろ。何かあったらすぐにわたしの所に来い。分かったか?」
「分かりました」
「よし。ほら他の人たちはちったちった」
イゼベル先生がそう言うと、生徒たちはちって行く。オレはエリオットの方を見る。
エリオットが召喚したのは・・・。オレが召喚するはずだったフクロウじゃないか!? やっぱり完全に奪っちゃてるよな!?
「どうした妾の主よ。何か考え事か?」
「ちょプリシラさん!? 密着しすぎなのでは!?」
「別に普通だろ。申してみろ、妾が聴いてやろう。それに敬語は不要」
「・・・いや。プリシラに言うほどじゃないよ。これはオレの問題だからな・・・」
「あ、ラザが敬語で喋ってない。出来ればアタシたちもにも、敬語は止めてほしいけど」
「それは無理です。敬語で喋らせてもらいます」
「いいじゃん。それよりラザは大丈夫なの? そんなにプリシラさんと密着していて」
「かなりヤバいですよ。恥ずかしすぎて、死にそうです」
「まぁそうだよね」
「・・・思ったんですか。ラザさんはプリシラさんを見て、驚くと言うよりあり得ないって顔をしてましたが。それに嘘って言ってましたし」
「え!? そ、そんな事無いですよ! ちゃんと驚いてましたよ・・・」
「そうですか? 何か会う前から知ってるような、気がしましたが」
す、鋭い。確かにオレは知っている。プリシラの事を知っている。名前は違うが、姿は一緒だし喋り方も一緒だ。
「―――そうかそうか。そう言う事か」
「何だプリシラ。何か分かったのか?」
「あぁ解った。これは後でじっくり話そうとしよう。それより。本当に何も感じんのか? これだけ当てているに、何も感じんと?」
「何も感じないわけが無いだろ! 我慢してるんだよ!」
「おのこはこう言うのが弱いと思ったが。意外とそうでも無いのか・・・」
「何か見てるこっちの方が、恥ずかしくなってきた」
「私もです」
数時間後。親しくなっただろうという所で、今日の授業は終わる。教室に戻った後は、ストーリーイベント通りに、事件が起きるが。すぐに解決する。オレは図書室に行かないで、すぐに寮に戻り部屋に入る。部屋に入ると、勝手にプリシラが出てくる。
「随分と狭い部屋だな。主の部屋だけ大きく出来ぬか?」
「差別が生まれるから止めてくれ。何でオレの所に、精霊が呼ばれるんだよ・・・」
「そう言う事もあるだろう。ところで主よ。主は記憶を持った転生者だな」
「何の事だ? オレは記憶を持った転生者じゃないぞ」
「即答で白を切るか・・・。白を切らなくてもよいぞ、妾は知っておるぞ。主の前世の名前が、エサキヨウジだって事を」
「なっ!? な、何でオレの前世の名前を知っているんだ?」
「主の過去を見たからな。続ける前に座って話そう」
オレは椅子に座ると、プリシラはベッドに座る。
「中々面白い過去だった。妾が住んでいる場所などの文明は、凌駕してるな」
「過去を見るだって? プリシラがそんな能力を持っていたか? いや持って無い。・・・そんな事より。オレの過去を見たって事は」
「知っておる。この世界はげぇむの世界だと。まぁ妾にとってはここは本物世界だな」
「全て丸見えって事かよ・・・。なら分かってるだろ。お前はオレの所で召喚されるんじゃなく、エリオットの所で召喚されるはずだった」
「そのようだな。だが実際は今の主の所で召喚された。これはもう変えられぬ事実だろう」
「そうなんだよ・・・。マジでどうしよ。このままじゃエリオットに申し訳ない」
「気にする事では無いだろ。そもそも主は自分がもう一度死ぬのが嫌だから、そのエリオットとは友にはならなかったんだろ。誰だって自分の身が危ないと思ったら、そのような行動をするだろ。妾も同じことをする」
「そ、そうか」
何故かちょっと安心をしてしまった。
IFを書いてみました。
これも卒業まで書きますが、本章で書いたものをそのままコピーする所もあれば。新しく書く事もあります。
新しく書く場合は、本章では書けなかった話を書きたいと思います。