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第93話 ギャルゲーのサポートキャラに転生しました

「反撃をされる前に、1ついいかな?」

「何ですか?」

「僕のクランにいるスティース達から聞いてるんだが、キミはかなり面白い魔法を使ってるよね?」


「別にオレは面白い魔法を使った憶えは無いですよ」

「そうかな。キミは風魔法で身体に風を纏って浮いたりするんだろ。普通の人はそんな事考えないよ」

「考えると思いますがね。浮遊魔法が使えないなら、他の魔法で代用するのでは」


「代用ねぇ・・・。だとしても、普通はやらないよ。遅くなったけど、敬語は不要だよ」

「ならお言葉に甘えて。そろそろ始めるか!」


 オレはカラレイに向かって走る。カラレイは矢を放ってくるが、オレは木刀を魔法で強化して矢を叩き落とす。飛んでくる矢は増えて来るが、問題なく叩き落とす。カラレイに近づいたら木刀で上から攻撃をするが、カラレイは弓で防ぐ。


「意外とその弓は硬いなっ! 強化か? それとも素材か?」

「その両方だよ。その・・・木剣? だってかなり硬い気がするけど」

「これは魔法で強化してるだけだ。素材は木だけど、何の木かまでは知らないね」


 オレは両足に力をいれて、ジャンプして後ろ下がる。次の行動をしようとしたが、右足が凍っていた。


 右足が凍ってる!? さっきの会話中にやられたか!


 カラレイは弓と矢をしまって、木剣を出してこっちに来る。オレは火魔法で凍っている右足を溶かす。溶かしている間に、カラレイがこっちに来て上から木剣を振り下ろす。オレは右手に持っている木刀で防ごうとしたら、カラレイは最後まで振り下ろさずに、動きを変えて左から木剣が出てきて、木刀を叩き右手から離れる。オレはすぐに左背中の近くにある、氷の棒を左手で持って、反撃をする。カラレイは当たる前に後ろに避ける。


「その氷の棒は、飾りでは無かったのかい?」

「飾りのために用意すると思うか?」

「思わないね」


 カラレイは更に距離を取る。


 まぁ下がるよな。この氷の棒が一体どんな効果があるか、分からないもんな。でもここから出も攻撃は出来るぜ。


 左手に持っている氷の棒を右手に持つ。右背中にある氷の棒は左背中に移動させる。右手に持っている棒を、右腰に密着させるかのよう構えて、左手てで氷の棒を支える。氷の棒の先端から魔法陣を出して、魔法陣から氷の粒をカラレイに向けて無数に撃ち出す。


「なにその攻撃のしかたは!?」


 カラレイは避けながら大声でそう言う。


「(これは困ったな。彼は当てる気は無いようだけど。動きをや思考を抑える気だね。結果として。こっちは他の武器を出す暇もないし、どの魔法を使おうと言う考えも出来ない。出来るとしても、今思ている事だけ。っと赤い粒が来ましたね。避けますか)」


 ・・・あ、赤い粒が避けられたな。別にいいけど。


 オレが撃ち出した赤い粒は、カラレイに避けられたが。カラレイの後ろで爆発する。カラレイは衝撃で吹き飛ばされるが、すぐに態勢を整える。


「爆発!? あれは氷に粒じゃなかったのか!?」


 表面上は氷の粒だが、中身は爆発するファイアボールになっている。氷の粒が溶け無いように、制御魔法を使ってみたが。何とかなってるな。何かに当たった時も爆発するように、制御魔法を使っている。制御魔法の重ね掛け出来るんだな。っとこっちに突っ込んできたか。


 カラレイは氷の粒を木剣で叩き落としながら、こっちに来る。


 近づいてくれば、氷の粒は撃てなくなるな。もう1回赤を撃ちだそうと思ったが、爆風で距離を詰められる訳にはいかないしな。どうしたものか。ってもうかなり近づいてるな。


「このぐらい近づけば懐に入れますよ!」

「入れればいいな!」


 オレは氷の粒を撃つのを止めて、氷の棒の先端を短くする。それと同時にカラレイは、オレに木剣が届く距離まで来ていた。カラレイは素早く攻撃をしてくるが、オレは氷の棒の先端から魔法陣を出さづに、氷の粒の散弾を撃ち出す。カラレイは腹にもろに当たり、後ろに飛んで行く。オレは近づいて止めを刺そうとしたが、すぐに後ろに下がる。


「―――・・・バレますか」

「バレバレだぜ。あのまま撃っていたら、オレは丸焦げだったな」


 カラレイは立ち上がる。


「それにしてもキミの魔法は面白! その氷の棒は万能かい?」

「別に万能って訳でもないな。魔力が尽きれば溶けて無くなる」

「改良すればもっと強い魔法になるね」


「言っておくが。今までのは全部魔法の重ねて使っているだけだ。1つの魔法でここまでは出来ないな」

「重ね掛けか。でもキミの魔力がすぐに尽きるのではないかね」

「尽きないために魔道具を使ってるんだよ。お陰でまだまだ魔法は使えるぜ」


「うん。なら早く他の魔法を見せてくれ」

「見せられると、いいな!」


 氷の棒の先端から氷の粒の散弾を撃ち出す。カラレイは右に避けるが、完全には避けられなかった。オレはそのまま撃ち続けるが、カラレイは避けながら後ろに下がる。オレは撃つのを止めて、左背中にある氷の棒を左手で持つ。両手に持っている氷の棒の形を変えて、ハンドガンにする。


「見た事が無い形だけど。それは一体何?」

「これは教える気は無い。教えても意味が無いからな」


 オレは構えてカラレイに向けて撃つ。カラレイは普通に避ける。


 このハンドガンはただの形だけ。撃てている理由は制御魔法のお陰だ。一応引き金を引く事は出来るが、引いたところで弾丸何て出てこない。そこで制御魔法の出番だ。制御は単純だ。引き金を引いた時、魔弾を撃ち出す。ただこれだけだ。引き金をずっと引いていれば、連射も可能。ただし魔力消費がかなり激しい。魔道具を使って魔力回復を早めているが、追いついてない。・・・このままじゃ魔力が尽きるな。


 オレは右手に持っているハンドガンを、氷の剣に形を変えてカラレイの方に向かって走る。カラレイは防御魔法を使ってるのか、魔弾が当たっても弾かれる。カラレイはオレの方に走って来る。


 あれは防御魔法でいいな。硬すぎるだろ。一体どんな練習をすれば、あそこまで硬くなるんだよ・・・。これでも魔弾は鉄を簡単に貫通するんだけど、あの防御魔法は鉄以上の硬さかよ!


 かなり近づいてきて、オレは右手に持っている氷の剣で攻撃をする。カラレイは防御魔法で防ぐ。左に持ってるハンドガンの一部制御魔法を書き換えて、魔弾の威力を上げて撃ち出す。何回か撃っていると防御魔法は壊れる。防御魔法で防がれていた氷の剣は、そのままカラレイに振り下ろされるが。カラレイは避けてすぐにオレに近づいて、木剣を首元を寸止めをする。


「――――――参りました」

「はい」

「そこまで! 勝者、冒険者のカラレイ選手です!」


 司会者がそう言うと。試合を見ていた人たちから、盛大な拍手が送られる。オレは魔法を解除する。カラレイは木剣をしまう。


「いい試合でしたよ」

「そうか? オレは弄ばされた気がするが。本気を出していたら、最初の矢で終わらせていただろ」

「はい。ところでラザくん。果て無き夢に入らないかい?」


「無理かな。明後日は実家に帰って、実家の手伝をしないといけないし」

「冒険者になるのに、一度実家に戻ると?」

「今実家にはダンジョンがあるんで。その手伝いをしないといけないからな」


「なるほど・・・。では近いうちにキミの実家に行くとしますか」

「待ってますよ」


 オレはカラレイとは別れる。オレは木刀を拾って、アリーナから出る。出た後は少し休んで、借りていた魔道具を返す。返したら観客席に行って、エディスたちを探す。見つけたら移動をする。


「あ、ラザ。おつかれー」

「お疲れ様です」

「お疲れ。負けたな。まぁ相手が悪かったな」


「あれは無理だろ。どう見ても相手の方が強すぎるよ・・・」


 オレは空いている席に座る。


「・・・・・・敬語じゃない」

「ラザ先輩が敬語で喋ってません・・・」

「ほらな。わたしが言った通りになっただろ」


「一体何を言っていたかは知らないけど。そんな顔でオレを見るな。何か恥ずかしくなる」

「いやいやいや。ラザが敬語を使って無いから、驚くに決まってるよ」

「やはり明日は酸の雨が降って来るのでしょうか?」


「怖い雨だな!? そんな雨がそう簡単に降って来るもんか。それよりクラス別の試合を見ようぜ」


 クラス別の試合が始まる。オレたちは試合を見て、終わったら拍手をする。時間が経つと、オレたちのクラス代表が出てくる。司会者が色々言ってから試合が始まる。試合が始まった直後に、エメリー様の魔法で相手を倒す。


「い、一撃で終わった・・・。エメリー様の魔法ってあそこまで強いのか?」

「強かったな。避けるのに苦労する魔法だな」

「相手は確か近衛兵だったよな。それを一撃って・・・」


「エメリーは凄く強いね・・・」


 エメリー様たちは退場する。その後は他のクラスが出てきて、試合が始まる。


 全てのクラスの試合が終わったら、少し休憩を入れて終わったら閉会式が始まる。それが終わったら一度教室に戻る。


「先ずは卒業おめでとう。だかこれからだ。オメェーらはやっと始められる、これから始められるんだ。この先今まで以上に困難にぶち当たるだろうが、まぁオメェーらならその困難をぶっ飛ばせるだろ。わたしがそう教えたからな。オメェーらは決して1人じぇねぇ、必ず誰かがオメェーらに味方になって、助けてくれるだろ。以上だ。あんまり長々話すことじゃねぇからな。後は学園から出るだけだが、番号順じゃなくてもいいから列を作って並べ。クラスごとに学園から出る。何か質問は?」


 オレ含めて生徒たちは何も言わない。


「無いなら少し休んでろ」


 イゼベル先生がそう言うと。生徒たちは立ち上がって、色んな所で会話が始まる。


「もう学園にはいられないんだねぇ・・・」

「そうですね・・・」

「別に学園の教師になれば、また学園にいられるだろ」


「そうだけど。もう会えないんだよ。エメリーとは会えるよ、時間さえあればね。でもラザは・・・」

「ラザさんは冒険者になって、あっちこっち行くんですよね」

「あっちこっち行けたらな。会うと思えば会えるだろ。エメリー様は分からないけど」


「確かに分からないですね」

「もうラザはいっそ騎士になればいいのに。そうすればまた3人で会えるのに・・・」

「騎士は絶対に嫌だ。あんな面倒な事誰がやるか」


「やっぱりそうだよね~」

「ラザさんがやるとは思いませんしね」

「だってあんな所にいたら、自由がほぼ無くなるからな」


「―――言い忘れていたが。オメェーらが卒業したら、わたしは教師を辞める事になっている」

「「「「「「教師を辞める!? 聞いてない!!」」」」」」

「今言ったからな。一部知ってる奴はいるがな」


 オレたちの事だな。


「あ、そうだ」


 エディスはイゼベル先生の所に行く。イゼベル先生と何か喋る。喋り終わったらこっちに戻って来る。


「何の話をしてたんだ?」

「マルル先生に告白されたかを聞いてみた」

「告白はどうだったんですか?」


「断った。だって」

「あぁ・・・。マルル先生は立ち直れるか?」

「多分ですか。当分立ち直れないかと」


「だよな・・・」


 教室で待機してると、放送が流れる。オレたちは教室から出て列を作り並ぶ。そのまま移動を始めて、昇降口に行く。昇降口から校門までの道には1年生と2年生が、道のわきに並んでいて盛大な拍手で見送る。常に前のクラスは移動していて、オレたちのクラスも移動する。移動してると、サラサ様を見つける。オレたちはサラサ様の所に行く。


「ご卒業おめでとうございます」

「ありがとうー。サラサさんはもう1人になっちゃったね」

「はい。エメリーさんたちが留年してくれると、自分は嬉しいのですが」


「この学園は留年制度は無いだろ。冒険科はオレで最後だな。あ、まだ学園に登校する日はあるんだろ。冒険科はどうなるんだ?」

「午後の授業は無くなりましたよ。自分は午前中の授業で帰る事になってます」

「教師を辞めるのは良いけど。せめて1年生と2年生が春休み入るまで、教師を続けてろよ・・・」


「契約だからね。じゃあ後ろがつっかえるといけないから。アタシたちは先に進むね」

「はい。2年間ありがとうございました!」

「こちらこそ。ありがとうございます」


 オレとエディスも頭を下げる。頭を上げて、オレたちは移動をする。移動している間は話ながら、各自家に帰る。オレは明日冒険者になるため、宿に行って泊る。


 それから2日後。オレは門の所で実家から来た、馬車に乗って実家に帰る。


 昨日試験の結果は合格。オレは3年間冒険科にいたから、Cランクからスタート。3回依頼を受けてみたけど。問題なく達成出来たな。

 2日前で学園生活は無事終了。オレは死ぬことなく卒業は出来た。エメリー様とエディスは、家に帰るまで泣かなかった。家で泣いたかは知らないけど。

 これからどうなるかは、オレには分からない。何処かで殺されるかもしれないし、何らかの理由で冒険者を止めないといけないかもしれない。まぁなるようになるだろう。後は『ラザ』の記憶だろうか。大体は戻って来たけど、流石に生後何ヶ月の記憶は無いな。結論から言うと。やっぱりオレは死んで転生をしていた。ラザの身体を乗っ取った訳では無く、完全に転生だ。これだけでも分かればいいだろ。オレはラザの人生を壊した訳じゃなくなる。オレ自身がラザだったからな。ただ何で死ぬ前の記憶があるのかは、不明だけどな。


 ・・・死んだ後オレは、両親や和利に会えるだろうか? 先に両親会いたいが、和利に会ってこう言いたい。『ギャルゲーのサポートキャラに転生しました』って。

書き終わりました。後は修正をするだけですが、まだ完結にはしません。もしかしたら、まだ書くかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。卒業後どうなるのかとても気になります。 応援してます。
[良い点] そこまで起伏のある物語ではないのに、不思議なくらい続きが読みたくなる作品でした。作者様の他サイトの他作品も読みに行こうと思います。
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