表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/177

第79話 勝手に

 癒されたかどうか分からないが、ほぼ1日テラスで雑談をしていた。そして8月16日。オレたちは門の前に集合している。


「ラ、ラザ。お前、本当に学園に戻るのか? お前は特に用事は無いんだろ」

「用事は確かに無いけど。オレは学生だから、もう少し遊んでいたいんだけど」

「お願いだ。まだ残ってくれ。そして手伝ってくれ・・・。私らだけじゃ足りんっ!」


「王都にいる兄たちを呼び戻したら? 特にジョナス兄さんは、呼び戻した方がいいだろ」

「そうだが。素直に戻って来るか?」

「・・・・・・戻って来ないな。ジョナス兄さんは出世欲が強からな・・・」


「ラザ様。移動の準備が出来ました。御三方は常に馬車に乗っております」

「そうですか。・・・イリナさん。分かってると思いますが、イリナさんはついて行けませんよ。学園での執事とメイドは、禁止されてますから」


 それを聞いたイリナさんは、プルプルと震えだす。メールはイリナさんを捕まえる。


「ラザ様! イリナは自分が押さえるので、早く馬車に乗ってください!」

「助かります。では行ってきます!」

「待てラザ! せめて冬休みは一度実家に帰って来てくれ!」


「数週間しかないのに、帰って来る訳ないだろ! オレが卒業するまで待ってれ!」

「くっ・・・。なら仕方がないか・・・」


 オレは学園に行く馬車に乗る。オレが乗ったら馬車は動き出す。


「何か大変だったね。去年もこんな感じだったの?」

「こんな感でしたね。しかも今よりもちょっと長引きますね・・・」

「えっと・・・。あまり気にしな方がいいですよ」


「はい・・・」


 何時間かかけて王都に着く。王都に着いたら学園に向かい、着いたら校門をくぐり寮に行く。


 9月1日。始業式が終わり2学期が始まる。教室に入り、椅子に座る。


 ・・・やっぱりエリオットたちがいない。遅刻するとは思えないし、一体何やってるんだ?


「エリオットたちがいないね・・・。誘拐された?」

「まさか。エリオットさんにはフランさんがいるんですよ。誘拐されても、誘拐犯がすぐに倒されますよ」

「そうだよね。じゃあ風邪でも引いたかな?」


「風邪なら学園には来れませんね。見舞いでもいった方がいいでしょうか?」

「行かなくてもいいんじゃない? 特別親しいって訳じゃ無いし」

「まぁそうですね」


 そうかもしれないけど。言わなくてもいいだろ。


 教室で待っているとドアが開く。入って来るのは、イゼベル先生ではなく、マルル先生が入って来る。


「皆さんおはようございます。驚いているだろうとは、思いますが。これから事情を説明します。昨日の昼。バルナさん、カウルさん、レジさんが誘拐されました」


 生徒たちは驚く。オレも驚く。何故その3人が誘拐されたのか。


「現在イゼベル先生とエリオットさんは、3人を救出するために騎士団と行動しています。イゼベル先生がいない間、ぼくマルルが一時的に担任を務めます。心配する気持ちは分かりますが、今は無事に戻って来る事を祈っていてください。特にラザは」

「オレですか!?」

「はい。ラザの場合はきっと、助けに行く。っと言うでしょう。イゼベル先生やエリオットさんに、止めてほしいと言われてますから。エメリーさん、エディスさん。ラザを見張っていてください。気付かない所で、騎士団と合流すると思います」


「「はい!」」


 何か勝手に決め付けらてないか!?


「では今日の予定ですが。今日は始業式だけなので、この後は各自自由に行動してください。では今日はこれで解散です」


 マルル先生は教室から出る。


「さてラザ。間違えても騎士団の方に行かないよね?」

「行ったら拳が飛びますよ」

「エメリー様!? 何かイゼベル先生になってませんか!?」


「気のせいですよ。でも行かないでください。心配なのは分かりますが、私たちは学生です。その学生が1人でもいると、足手纏いになります」

「そうですけど・・・」

「前々から言ってるけど、ラザはちょっと無理しすぎじゃない? 何かに追われてたりするの?」


「そんな事はありませんよ」

「そうだよね。何かに追われていたら、今頃ここにいないよね」

「では何で、行こうと考えたんでしょうか?」


「勝手に決め付けられてませんか? 場所も分からないのに、どうやって騎士団と合流するんですか?」

「気配遮断を使って、職員室に侵入して情報を盗んでから。騎士団と合流すればいい思います」

「流石に先生方にバレると思いますよ。元騎士とか元冒険者とかいるんですよ。バレますよ」


「そうかな? だって1年生の時にさぁ、イゼベル先生は気付かなかったんじゃん」

「あれは真面目に探してないから、気付かなったのでは?」

「でも普通は真面目に探さなくても、気付きますよね。イゼベル先生は立ってましたし、私たちは椅子に座ってます。これなら普通に見つけられますよ。でもラザさんが気配遮断を使っているんで、気付かないのは普通かと。そもそも使う何て思いませんよ」


「まぁそうですけど・・・」

「話が少し脱線したけど。とにかく勝手に騎士団と合流しないこと! もし勝手に騎士団と合流をしたら・・・」

「したら?」


「もししたら、姉さんとクリスさんを呼んで。四六時中監視をお願いしますよ」

「勝手に騎士団と合流しないので。それだけは絶対に止めてください・・・」

「よし。暇だから図書室にいかない? 多分サラサさんがいると思うよ」


「いいですけど」


 立ち上がって図書室に行く。移動してると廊下でマルル先生に会う。


「丁度いい所に。ラザ。明日の午後の授業ですが。イゼベル先生がいない間は、午後の授業は無しです。サラサさんにも伝えてください」

「分かりました」


 マルル先生と別れて、オレたちは図書室に行く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ