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第77話 急に現れた?

「クレトリーさん。ポーションは足りてますか?」

「足りてません! 何でこんなに騎士がいるんだ!?」


 オレは空間からポーションが入った、箱を出す。


「クレトリーさん。追加のポーションです」

「ありがとうございます。追加のポーションが来ました!」


 クレトリ―さんがそう言うと、ポーションが欲しい騎士たちが来る。列が出来て1人づつ箱から、ポーションを取っていく。箱の中が空っぽになったら、また空間からポーションが入った箱を出す。


「何でこんなに騎士がいるんですかねー。今回ダンジョンに入った騎士団は、ロザリー様がいる第11騎士団だけですが」

「分かりませんね。第11騎士団が報告をしなかった、って事は無いと思いますが。あるいは第11騎士団も知らなかった。よく見ると、他の騎士団のようですね」

「・・・今このカルバーン家に滞在している騎士団は、王都の第11と第12騎士団だけのはずですが。こっちは他の騎士団が来るって話は、聞いてませんよ」


「私も知りませんよ」

「――――――なら私が説明をしよう」


 次ポーションを取る人は、ロザリー様だった。ロザリー様はポーションを取って、列から出てから蓋を開けて飲む。


「あまり美味しくは無いな」

「ポーションですから。それで。何でこんなに騎士がいるのですか?」

「簡潔に言うとだな。勝手に付いてきた・・・。私たちは朝早くダンジョンの受付が終わって、ダンジョンの地下5階層まで行ったんだ。その地下5階層で貴族とその騎士団が急に現れた」


「貴族とその騎士団が急に現れた? 魔法か魔道具で気配を消していたんですかね・・・。どっちにしろ許可無くダンジョンに入ったのは、許せませんね。とりあえず嫌がらせで、ポーションの代金をつけておきましょう」

「こちらの方で手配しておきます」

「お願いします。それで戻って来るのに時間がかかったのは、他家の貴族と騎士団のせいですか?」


「いや、魔物相手だ。ストーンゴーレムが10体も襲ってきたからな」

「ゴーレムが10体も!? それで死者を出さなかったんですか。凄いですね」

「その代わりに重傷者を沢山出したがな・・・。この事を領主に伝えるつもりだが。今は家にいるのか?」


「今日は家で書類の仕事をしてるので、親父は家にいますね。行く前にエメリー様に会ってください。重傷者の話を聞いて、顔を青くしてましたよ。エメリー様は重傷者の方で、回復魔法を使って重傷者を治してますよ」

「分かった。ポーション、ありがとう」

「どういたしまして」


 ロザリー様はエメリー様の所に行く。オレは空間からポーションが箱を出す。


「・・・・・・ラザ様はよく喋れますね。私挨拶出来ませんでしたよ」

「もう慣れてますからね・・・。それにしても許可の無い他家の貴族と騎士団が、勝手にダンジョンに潜ったか・・・。これは親父が面倒が増えるな」

「ラザ様は手伝わないんですか?」


「えぇ~、オレはまだ子供ですよ~。しかも学生ですよ」

「受付などの人材確保、ダンジョンの階層調べ、ポーションの生産などなど。これだけの事をやって、今更やりたくないって言うのは、通用しないかと。それにもうラザ様は成人してますよ」

「それを言われると、何も言い返せないですね。今日はここに泊ろっかな~」


「無理だと思いますよ。今日はダンジョンに潜った、メイドたちが戻って来ますよ」

「あぁ今日帰って来るのか・・・。やっぱりここに泊りますね」

「――――――聞き間違いでしょうか? 今この辺のテントに泊まると。そう聞こえましたが」


 オレの後ろから女性の声が聞こえた。後ろを振り向くと、3人のメイドがいた。


「もう帰って来たんですか? もう少しゆっくりしていたらどうです?」

「いえいえ、ダンジョンにずっといるのは。こちらにとって衛生的によろしくありません。それにラザ様のことが恋しくなります」

「顔色1つ変えずよく言えますね。オレが言ったら、その場で顔を隠してますよ」


「えぇ~その程度顔を隠すんですか~。男ならそのくらい」


 メイドことヴィクトが頭を叩かれる。


「イッター! 何で叩くのよ!?」

「・・・・・・」

「って何か言ったら? いっつも何も言わないんだから」


「何だ何だ? あのメイドどももう帰って来たのか」

「あぁトラヴィスさん。こっちに来てどうしたんですか?」

「聴いてくださいよラザ坊ちゃん! 何か他家の貴族が、領主を出せって言ってくるんですよ!」


「他家の貴族? ・・・勝手にダンジョンに入った貴族ですかね。その人を家に案内してください」

「了解。おいクレトリー、行くぞ」


 トラヴィスさんはクレトリーさんに話しかけるが、クレトリーさんは反応しない。


「コイツ気絶してるな。何があった? って考えるまでもねぇよな」

「ダッサ。騎士がこの程度で気絶とか。マジでダッサ」

「誰だって気絶するだろ。どーせテメェらがラザ坊ちゃんの後ろから、出て来たんだろ」


「そうです。その方が驚く顔が見られるので。一度も見た事無いですが」

「ラザ坊ちゃんだぜ。そう簡単に驚いたり恥ずかしがったりは、しないだろ」

「ちゃんと驚いたり恥ずかしがったりしますよ。それより4人は去年ウチに就職したんですよね? 何でそこまで馴染めてるんですか? 実は5年前からいました?」


「「「5年前ではなく、去年からです」」」


 あまり喋らないメイドのミシュさんは頷く。


「やっぱり去年ですよね。・・・雑談もここまでにして、仕事に戻ってください。イリナさんはたちは、すぐに家に戻って休んでください。トラヴィスさんは他の騎士と一緒に、他家の貴族をカルバーン家まで護衛をしてください。クレトリーさんは後で指示を出します」

「「「「了解」」」」


 4人はすぐに行動をする。オレはクレトリーさんの身体を揺らす。


「――――――ッハ! あの3人のメイドは!?」

「もう家に向かいましたよ。軽傷者の騎士はいないので、家に戻ってください。それと他家の貴族と騎士団に、請求するのを変更します。全ての治療費、家に泊まる宿泊費、食費、風呂代、その他諸々に変更して書類を作成して。親父に渡してください」

「分かりました。失礼します」


 クレトリーさんは走ってテントに戻る。オレはエメリー様たちの方に行く。


 ここもほぼ片付いてるか。病院の方は大丈夫だろうか? 軽傷者が少ないから、大丈夫か。


「あぁラザ坊ちゃま。騎士ロザリー様からの伝言です。エメリー様たちを連れて、先に家に戻ると。言ってました」

「分かりました。伝言ありがとうございます」

「それにしても、何故他家の貴族が、勝手にウチのダンジョンに潜ったのでしょうか? 貴族が保有してるダンジョンが、珍しいかったのですかね。でもダンジョンは国王様たちが管理してるような・・・」


「表向きはそうですが。実際はほぼ冒険者ギルドが管理してますよ。貴族がダンジョンを管理するのは、稀ですからね。多分ですが。貴族がダンジョンを管理してるので、許可が無くても潜れると思ったのでは? まぁ姿を消して、勝手に第11騎士団に付いて行ったのですが」

「身勝手な行動ですね」

「はい。身勝手な行動です。その嫌がらせとして、治療費などの請求はしますよ」


「ついでに武具の費用も付けてください。かなりの騎士たちの武具が、駄目になったようですよ」

「良いですね。帰ったら親父に伝えておきます。では、残りの作業はお願いします」

「御意」


 オレは走って移動中であろう、ロザリー様達の方に向かう。

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