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第76話 交友

 2日後。オレたちは街から出て、ダンジョンに向かう。4人で行くのは危険なので、エメリー様たちの護衛で来た騎士を何人か連れて行く。


「ねぇ騎士を連れてくる必要あった? 一応道は出来てるし、冒険者もその道を歩いてるし。特に襲われる危険性は無いんじゃない?」

「エディスさん。冒険者がいつ襲ってくるか分かりませんよ。冒険者全員が良い人とは限りませんよ」


 オレがそう言いと、騎士の人たちは頷く。


「でも襲ってきても、後で貴族とか王族って分かったら。すぐに逃げ出すんじゃない?」

「逃げだしてくれるといいんですが、私たちを殺せば逃げる事は出来ますよ」

「そうですね。でも自分たちは少しは強くなってますよ」


 それを聞いた騎士たちは、顔を青くしている。そう言えば。昨日と一昨日は騎士の人たちと、模擬戦をしたけど。エメリー様とサラサ様の圧勝だったな・・・。本人たちは手加減してもらってると、思っているのだが。騎士たちは全力でやっていた。その事を思い出しているのだろう。


「そろそろ着きますが。このまま並ぶと、ダンジョンの受付に着くので。少し迂回して行きますよ」


 オレたちは迂回をして、ダンジョンの受付とは別に、騎士団たちの野営地に行く。


「おはようございます。王都の騎士団は地上に戻ってきてますか?」

「おはようございます、ラザ様。まだ王都の騎士団は戻って来てません」

「まだ戻って来てないんですか? 確か今日の朝には戻ると聞いてますが」


「我々にも分かりません。調べようにもダンジョン内は、完全に別々の空間になるので。王都の騎士団と会う可能性が低いです」

「それは分かっています。・・・待ちましょう。ここで待っていた方が、会う可能性がありますね」

「それがよろしいかと。ところで。ラザ様の後ろにおられる方々は、どちら様でしょうか?」


「学園の友達ですよ。1人は平民ですが。残りの2人は侯爵家の1つ上の公爵家と、第2王女の人ですよ」

「はい!? 公爵家と第2王女様!?」


 エメリー様たちが前に出て挨拶をする。ウチに所属している騎士団の人たちは、ただただ挨拶を聞いているだけだった。


「――――――ラザ様! いつからあの方々と交友になっていたんですか!?」

「えっと学園に入って1年生の時に、エメリー様とエディスさんと友達になって。2年生の時にサラサ様と友達になりましたね」


 騎士ことクレトリーさんは、口を開けて固まる。


「って。一昨年もエメリー様とエディスさんは、遊びに来てましたよ」

「私は去年この騎士団に入団したんですよ! 一昨年の事なんて知りませんよ!」

「あぁクレトリーさんは去年入団でしたね。もう1年経ってるんですね」


「ら、ラザ様は一体どのような、学園生活をしてるんですか?」

「普通に生活をしてますよ」

「うん。絶対に普通には暮らして無いよね。普通に暮らしていたら、あんな速く走れないからね」


「横から何でエディスさんが、言うんですかねぇ・・・。そんなに普通じゃ無いですかね?」

「そうだよ!」


 そうだろうか? もうオレにとっては普通なんだが。


「―――あ、私は仕事に戻りますね」


 クレトリーは仕事の方に戻る。他の騎士がこっちに来て、オレたちは邪魔にならない所に案内をされる。案内されたら、椅子に座る。


「・・・姉さんは大丈夫でしょうか?」

「大丈夫じゃない? ロザリーさん自体強し、使い魔も強いし」

「最悪1人だけ帰ってきます」


「王都の騎士団も心配してくださいよ。何でロザリーさんだけ心配するんですか?」

「勿論心配はしてるよ。でもすぐに出てくる人が、ロザリーさんしかいなかったから」

「私も姉さんしかいませんね」


「同じく」

「・・・そうですか。もう少し待っていれば、帰って来ますよ」

「はい・・・」


 あぁ~心配してる。帰って来るって言っても、必ず帰って来る保証は無いよな。こんな時どうすればいいんだ?


「あ、ねぇラザ。去年からダンジョンが出来たんだよね。去年の夏休み中は何をしてたの?」

「去年の夏はダンジョンの周りをどう整備するとか、ダンジョンの潜って階層の確認などですね」

「ダンジョンに潜ったのですか!?」


「潜りましたよ。人手が足りなかったので、オレも参加したんですよ。親や騎士の人たちには反対されましたが」

「そりゃあ反対されるよね。まだ学生だし、騎士の人たちに任せた方がよかったでしょ」

「身体を動かした方がいいなっと、思ったんですよ」


「あまり無理をしない方がいいですよ。学園生活でも、無茶をしてますからね」

「・・・あんまり否定が出来ないですね」

「――――――ラザ様。王都の騎士団が戻ってきました。ただ重傷者が多く、今あるテントに入れない状態です」


「・・・なら軽傷者の手当てが出来たら、すぐに街の病院に連れて行ってください。重傷者は治癒魔法である程度治ったら、カルバーン家に移動させてください。ポーションも惜しまなく使ってください」

「分かりました」


 クレトリーさんは走って行く。


「オレたちも行きますよ。行って手当の手伝いをしますよ」


 オレたちは立ち上がって、王都の騎士団がいるテントの方に向かう。王都の騎士団がいるテントに着くと、常に馬車で何人か騎士が乗っている。オレは3人に指示を出す。


「回復魔法が使えるなら、重傷者の方に行ってください。使えないなら、軽傷者の方に行ってください」

「私とサラサは治癒魔法が使えるので、重傷者の方に行きます」

「アタシは軽傷者の方に行くね」


 3人は別々に行く。オレは一度クレトリーさんの所に行く。

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