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第68話 はぇーよ

 2日後の午後2時半過ぎ。オレは学園の校門前に着く。少し早く来すぎたかも、って思ったがそうでもなかった。既にイゼベル先生以外来ていた。


「集まるのが早いですね。言うのは失礼だと思いますが、意外と暇なんですか?」

「別に暇だったからじゃないよ。ただ楽しみだったからだよ」

「何時くらいに集まったんですか?」


「2時ですね」

「1時間早く来たんですか? その間暇になりませんか?」

「暇じゃなかったですよ。ラザさんが一体どんな服を着て来るかを、考えて待ってましたので」


「いやいや、それは男性が考えると思うんですが」

「じゃあラザは、アタシたちがどんな服で来るか。考えた?」

「全く考えてませんが」


「・・・ラザって意外と考えないの?」

「考える暇があったら、1つでも必要な技術を憶えますよ」

「遊び心がないんですね」


「まさか。ちゃんと遊び心はありますよ。ただあまり表に出ないだけですよ」

「そうかな~。アタシたちからしたら、遊び心が無いって思うけど」

「勝手にそう思っていてください。オレは何も思わないので」


「・・・・・・随分と仲がいいですね。いつもこんな感じなのですか?」

「いつもこんなだよ。大体アタシとエメリーが、話を振るって感じかな。ラザから話しかけてくることなんて、ほぼ無いからね」

「そうなのですか?」


「そうですよ。ラザさんから何か話題を振ってくるのって、あまり無いですね。さっきみたいに話を振ってくるのは、稀ですから」


 オレはあまり話かけて無かったか? ・・・あまり話かけて無かったかな。


「後はアタシとラザで、エメリーを弄る事かな。これが楽しい」

「あぁそうですね。エメリー様が困る姿を見るので、これはこれで楽しいですね」

「2人は一体何を言ってるんですか!? もう少し違う楽しみ方は無いんですか!」


「ん~・・・。ラザの意外な一面を見つけること?」

「はい? オレの意外な一面ですか?」

「うん。だってそれが一番楽しいからね。だって使い魔を召喚した時だって―――」


「エディスさん。それ以上言うと、首と身体が離れ離れ(はなればなれ)になりますよ」


 オレはエディスさんに睨めつけながら言う。


「う、うん! 黙っておくよ!」

「(す、凄く気になる・・・!)」

「―――オメェーら来るのがはぇーよ。いつからいたんだ?」


「あ、イゼベル先生。オレは2時半過ぎに来ましたが」

「アタシたちは2時に来たよ」

「はぇーよ。ラザ以外来るのがはぇーよ。暇だっただろ?」


「そうでもないですよ。色々話題は尽きなかったので、暇では無かったですよ」

「気付いたらラザ先輩が来てましたしね。ところで、イゼベル先生の私服姿を見るのは初めてです」

「初めて? 学園にいる間も私服を着ているのだが」


「あれが私服なんですか? あの服装は私服と言っていいんですか?」

「わたしが私服と思ったら、それが私服だ。それよりも、ラザの私服を初めて見たぞ」

「あ、自分もです」


「ラザの私服って、あまり見ないよね~」

「まぁ誰かと一緒に行く事は、無いですからね。基本的にペールと一緒に、行く事が多いですね」

「お前は誰かと一緒に、何処かに行かねぇのか?」


「行かないですね。もしかしたら、今回が初めてかもしれませんね」

「お前は・・・。まぁいい。今から買い物に行くぞ」

「先生。買い物って、一体何を買うの?」


「食材や調味料だ」

「食材と調味料? 先生が作ってくれるの?」

「わたし1人なら作るが、オメェーらに作らせるためだ」


「「え?」」

「ちょっと待ってください。ラザさんとサラサから聞いてませんよ」

「だって言ってませんし」


「言ったら来ないと思います」

「・・・アタシたちが呼ばれたのって、料理をさせるため?」

「半分はそうだが、半分は違うな。分かったら行くぞ」


 イゼベル先生が先に行く。オレたちはイゼベル先生について行く。街の方に着いて、食材などを買うために店に行く。


「この店だな」

「何ですか、この何でも揃ってそうな店は? スーパーですか?」

「すーぱー? 知らねぇ言葉だな。まぁある程度は揃っている店だな。中に入るぞ」


 イゼベル先生はドアを開けて中に入る。オレたちも一緒に付いて行く。店の中に入ると、色んな物が売っていた。


 やっぱりスーパーじゃね? 流石にドアは自動ドアじゃなかったけど。


 イゼベル先生はカゴ持って先に進む。イゼベル先生は必要な物を取って、カゴに入れていく。エメリー様たちはイゼベル先生に付いて行くが、オレはちょっと違う所に行く。


 調味料調味料・・・、あった。って、ほとんど塩とか砂糖しかないな。醬油とか味噌とかはないのか? 何か他の調味料は・・・。ん? これってコンソメか?


 オレは1個の小瓶を手に取る。ラベルを見ると『コンソメ』と書いてある。


マジか! コンソメ売ってるよ! でも値段は高いだろうな・・・。値段は・・・、銀貨60枚。塩より高い。砂糖はこんな値段だしな。日本だったらこれより、安く買えるんだろうな。そう言えば銅貨や銀貨って、日本円にしたらいくらになるんだろ? 特に気にしてなかったけど、気にした方がいいのか? まぁいいっか。このコンソメは買っておくか。


 オレはもう1個小瓶を手に取る。他に調味料がないかを確認する。確認したが特になかったし、今必要な物も無かった。


「―――ここにいたか」

「はい。ここにいましたよ。皆さんどうしたんですか?」

「どうしたって。お前がふらりといなくなったから、探していたんだ」


「それはすみませんでした。ついこういう店に来ると、自分の目当ての物を見ようと。自然と足が動いちゃうんですよ」

「驚くから止めてほしいよ。せめて何か言ってから、行動してよ」

「すみませんでした」


「反省してるならいい。行くぞ」


 イゼベル先生に付いて行って、買い物を再開する。

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