第57話 修学旅行その3
結局午後まで海で遊ぶことになった。途中でエリオットの友達、バルナさんとカウルさんが来たお陰で、ビーチバレーが出来た。ホテルに戻るギリギリの時間まで遊び、身体を浄化魔法で綺麗にして、更衣室で着替えてホテルに戻る。
次の日。今日は修学旅行最後の日。観光街に行って観光する。
「この服を買おうか、それともこの服を買おうか・・・」
「エディスはかなり服で迷ってますね。私は特に買うものは無いですが」
「オレもですね。多分まだ長引くと思いますよ。女性の買い物って長いので・・・」
「ラザ、最後の部分だけで聞こえてるよ」
「あぁ聞こえてましたか。ところで服は決まりました?」
「決まったよ。ラザは買わなくていいの?」
「前に王都で買ったので、特にここで買う予定は無いですよ。それにお土産には含まれてないので」
「私も特に買いたいものは無いですね。お土産にも含まれてません」
「そうなんだ・・・。あれこってアタシのせいで、2人の時間を無駄にしてる?」
「買う事は無いですが、服を見る事が出来たので。特に無駄とは思いませんよ」
「そうですよ。時間はまだあるので構いませんよ」
「なら良かったよ。服は選んだから買ってくるよ」
エディスさんは服を持って受付の方に行く。待っているとこっち来る。オレたちは店から出る。
「次はどこに行くの?」
「次は噴水広場です。その周りに沢山の屋台がやっていて、色んな食べ物が売ってますよ」
「よし行こう。今すぐ行こう」
エディスさんが先に行くが、場所が分からないのでその場で止まる。オレとエメリー様はエディスさんの所に行って、一緒に噴水広場に行く。歩いていると噴水広場に着く。
「おぉ何か祭りだね! いつもこんな感じなの?」
「この辺は観光客がよく来るので、いつもこんな感じですよ」
「これなら楽しめるね!」
「楽しむのはいいですが、お金の管理をしてくださいよ。そうしないとお土産が買えませんよ」
「っう。わ、分かってるよ。ちゃんと、お金の管理はするよ」
大丈夫か? どこかでお金が底つきそうだな・・・。
オレたちは屋台を回り、食べたいものを買って食べたり、欲しいものを買ったりする。
チョコバナナなんて売ってるんだ・・・。値段は銅貨20枚か。
オレは空間から銅貨が入った袋を出して、袋から銅貨20枚出して店員に渡す。オレはチョコバナナを貰う。オレはエメリー様とエディスさんの所に行こうとしたら、常に後ろにいてジッと見られる。
何か分からないけど、奢った方がいいよな。
オレは右手に持っている、チョコバナナを口にくわえて。袋から銅貨40枚を出して、店員さんに渡して2人の分を奢る。2人はこっちに来てチョコバナナを受け取る。オレは袋を空間の中にしまって、口にくわえてるチョコバナナを、右手に持って移動する。
「何かごめんね~、奢ってもらって~」
「奢ってくれなくてもよかったんですよ」
「あんなジッと見られたら、誰だって奢らないといけないってなりますよ」
「そんなもんかな。次はどの屋台に行く?」
「いえここから離れて、ガラスのコップを買いに行きますよ」
「ガラスのコップ? ここってガラス作りが盛んなの?」
「盛んですよ。ここで作ったガラスのコップとかは、すごく綺麗なんですよ。少し値段は高いですが、貴族では一種の社会的地位にもなっていますよ」
「ガラスのコップ程度で? アタシには全く分からないな~」
「オレも分かりませんね。でも親にも頼まれてますから、買いますけど」
ん~、社会的地位っていうから。ブランド品と言うべきか? ブランド品とかよく分からないけど。
エメリー様について行って、ガラスのコップが売っている店に行く。着いたら店の中に入る。先ずは一通り店内を見て、それからどのコップを買うかを選ぶ。
「コップ以外も売っているね。フォークやスプーンに包丁や食器。ここってそういう物を、売っている店でいいのかな?」
「はい。食器などを売っているお店ですね」
「じゃあ足りてない食器でも買おうかな」
「エディスは買わなくていいんですか? 両親にお土産として買って送れば、喜ばれるのでは?」
「特にお土産でガラスのコップを買ってほしいって、言われてないから買わなくていいかな。でもデザインは綺麗だよね。ウチにあるガラスのコップより、良いデザインだよ」
「言われてみればそうですね。とりあえずガラスのコップが3個入ってる、セットを2つ買えばいいか」
兄たちは特に言われてないし、騎士団の何処の所属か分からないからいいか。トーマスさんは懐中時計、メールは食べ物で他の使用人たちのお土産も買わないと。そして去年お土産でくれた先輩たちと、後輩のサラサ様にも買わないと。この時のためにオレはお金を貯めていたんだ。一部は親から預かったお金もあるけど。
オレはこの店で一部のお土産を買って、郵送で実家に送ってもらう。
「沢山買い物してたね。そんなにお土産を買う必要あるの?」
「両親と使用人と先輩たちと後輩に、お土産を買わないといけないので」
「そんなに買うの!? よくそれだけのお金があるね・・・」
「この日のための貯めていたので、ここで使い切る気で買いますよ」
「そうなんですね。でも姉さんとクリスさんの分は、買わなくてもいいですよ。姉さんとクリスさんは、後輩から沢山貰う事になるので、私たち3人からは代表で買って来てほしいって。言われましたので、私が代表で買いますね」
「へぇ~そうなんだ。まぁ確かにアタシたち以外にも貰いそうだね」
「買い物も終わったみたいなので、次行きますよ」
オレたちは店から出て、次の店に行く。その店でもお土産を買って、郵送で実家に送る。それをあと何件か繰り返す。観光が終われば飛行船乗り場に行く。
「あまり人がいないね」
「時間には余裕がありますから、他の人たちはまだ観光してるのでしょう」
「何処か座れる場所で、休憩をしませんか?」
「いいんじゃない。後は喋って時間を潰そうか」
オレたちは座れる場所を探して、見つけたらそこに行って座る。喋りながら時間を潰す。
「―――何だオメェーら、もうこっちに来ていたのか」
「あ、イゼベル先生だ。先生はお土産買ったの?」
「一応はな。特にやる事も見る所も無いから、座れる場所を探していたら。オメェーらがいるとはな」
「こっちも見る所は見たので、こうやって時間を潰してるんですよ。ところでマルル先生の、お土産って買ったんですか?」
「マルルにか? 特に買ってないし、忘れていたな。メンドクセェーが買ってくるか」
イゼベル先生は近くのお土産屋に行く。オレたちは時間を潰し、時間になったらクラスごとに並ぶ。点呼を取ったら飛行船に乗り、王都に戻る。