第55話 修学旅行その1
夏休みが終わり、2学期が始まる。そこから9月3日の朝。今日は修学旅行である。オレは修学旅行に行くために、先ずは南西に行く。
修学旅行と名ばかりの慰安旅行何だよな。そして今日の朝になって、この慰安旅行はストーリーイベントだったことに気付く。このストーリイベントは特に危険な事は無い、ただ遊んで終わるのが今回のストーリ-イベントだ。何でそんなイベントを入れたかは知らないが、エメリー様の水着姿でも作りたかったのかな。
それにしても何で現地集合しないといけなんだ? 日本なら分からなくもないが、こっちは魔物が出たり盗賊が出るだろ。それを現地集合で来させるのは危なくないのか? まぁ危険を減らすために騎士団が護衛をしてるのだが。
騎士団の人たちは森の中で、生徒たちを護衛をしてる。たまに魔物を殺してるのが見える。
これで安心できると言えば安心できるが、何で現地集合にしたんだろ・・・。
歩いていると草原に出る。このまま南西に歩いて行くと、飛行船所に着く。
修学旅行に行くのは、南の方にある島に行く。想像で例えると沖縄みたいなもんかな。
「あっ、やっとラザが来た!」
「遅いですよラザさん」
「遅いって言われても、まだ10分も余裕がありますよ」
「それでもだよ。それにしてもデカいよね飛行船! アタシ初めて乗るよ!」
「オレは見るのも乗るの初めてですよ。中々体験出来ないが出来ますね」
「そうだね。確かフェイン島だっけ? 楽しみだね」
「釣りが出来て海にも入れて、観光地もある。これは完全に遊びに行くようなものですね」
「・・・あの、何で私だけ話を振らないのですか?」
「だってエメリーは行った事あるって、言っていたじゃん。それなら話を振らない方がいいよね」
「私だって一緒に喋りたいんです! 仲間外れしないでください!」
「ごめんごめん。ついちょっと、ね」
「ね。じゃありません!」
2人が何かじゃれ合うように見える。エディスさんはたまにエメリーさんを弄ってるな。
「それより一度クラスに別れた方がいいですよ。そろそろ点呼を取る時間だと思いますよ」
「もうそんな時間なんだ。じゃあラザ、また会おうね」
2人はクラスの方に行く。オレは自分のクラスの方に行って、列に並んで点呼を取る。それが終われば、イゼベル先生に注意事項を言われてから。飛行船に乗る。少ししたら飛行船は動き出し、空を飛び始める。
飛行機は乗った事は無いけど、まさか飛行船に乗れるとは。人生何があるか分からないな。
「いたラザ。そんな所でなにしてるの? 甲板の方に行こうよ。きっと凄い景色が見れると思うよ」
エディスさんに連れられ甲板の方に行く。甲板に着くとエメリー様は手を振っている、オレとエディスさんはエメリー様の所に行く。
「そこが一番よく景色が見える所?」
「そうです。ここがよく景色が見える場所です」
「なら見て見よっと」
「オレも見て見ます」
手すりに手を置いて景色を見る。
おぉぉぉこれは凄い、街が小さく見える。まだ海は見えないけど、これだけでもう満足できる。
「街が小さく見える・・・。でも他の街とか行った事無いから、見れるのは良いね。少ししか見れないけど」
「最初はそうですが、海の方に出ると海が綺麗ですよ」
「早く見たいですね。フェイン島に着くのって、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?」
「大体3時間ですね。この飛行船は高速飛行船なので、すぐに着きますよ」
「早くないですか!? いくら向かい風でも、そんなに早く着くんですか?」
「魔法で向かい風を緩和しているので、早く着くんです。帰りも早く帰ってきますよ」
もしかして飛行機より速いんですか? 魔法で緩和してるとは言え、そこまで早く着くのか・・・。
「ラザさんは何処か観光する場所は、決まっているんですか?」
「観光する場所ですか・・・。そう言えば決まってませんね。パンフレットを見ても、イマイチ分からないというか。ちょっと情報が得られないからか、何処に行こうかは決まってません」
「ならアタシらと一緒に行こうよ。エメリーが色々案内してくれるよ」
「そうですか。ではよろしくお願いします」
「はい!」
っと言うより、最初からこれが目的だったのでは? 考えすぎか。
3時間後。飛行船は目的の場所に着き、飛行船から降りて行く。クラスごとに並んで先ずはホテルに行く。そこから班に分かれて部屋に行く。
部屋は班に分かれてるのに、何で班行動が無いんだろうか? 謎だな。
「ラザ。夜は枕投げで勝負だ!」
「オレたちが枕投げをしたら、窓ガラスが割れると思うのですが」
それを聞いた男子生徒3人は頷く。
「なら止めとくか。そうなるとどうするか・・・」
「別に無理に決めなくてもいいと思いますよ。とりあえず少し休憩しませんか?」
「そうするか」
少し休憩した後、ホテルのロビーに集合する。集合したらクラスごとに集まって、先生たちがホテル周りの案内が始まる。ホテル周りの案内をした後は、海の方に行く。
「ここが明日の午前中に遊ぶ海だ。別に午前中だけではなく午後も遊べるぞ」
「イゼベルせんせー。何でそんなにホテル周りに詳しいのですか?」
「一度来ているからなぁ。じゃねぇと安全確認が出来ねぇからな」
前世の修学旅行でも、そんな事を聞いた事があるな。こっちでも同じことをするのか。
「次はホテルから離れて、観光地の方に行くぞ」
イゼベル先生に連れられて、観光地の方に行く。