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第45話 解体

 11月上旬。午後の授業教室にて、動物と魔物を解体作業を始める。


「何で教室でやらねぇといけねぇんだよ・・・」

「まぁしょうがないだろ。解体室は他の科目の生徒たちが使ってるんだ。小さな動物や魔物は教室でも出来るだろ」

「そうですよ。ワタシたちは解体を学ばないと、この先生きていけませんよ」


「いや生きていけるだろ・・・。っし! 終わったー!」

「―――おぉスティースは終わったのか。ならこれもやれ」


 イゼベル先生は解体した魔物を回収して、新しい魔物の死体をテーブルの上に行く。


「・・・・・・マジかよ。ってコイツ『ミニトリス』じゃねぇか」

「確かコカトリスの一種でしたね。普通のコカトリスよりかなり小さく、脅威度は低くなりましたが。それでもコカトリスと同じなので、口から火を吹くわ普通のコカトリスより速いわ。もう嫌になるって話ですね」

「人によってはコカトリスより、ミニトリスの方が嫌になるんだったな。んな事はどーでもいいんだよ。何で普通にミニトリスが出てくるんだよ・・・」


「まぁイゼベル先生だからな。ミニトリス何てただの酒のつまみだろ」

「ジジィかっ!」


 スティース先輩の頭が叩かれる。


「ジジィじゃねぇ、ババァだ。そこを間違えるんじゃねぇ」

「――――――って、何か岩が頭に当たったようにいてぇ・・・」


 よく気絶しなかったな・・・。最悪死んでいたぞ。


「おいラザ。その本は魔物の解体書だろ。何勝手に図書室から持ちだしてるんだ」


 イゼベル先生が本の事を聞いてくる。


「あ、これ魔物の解体書の書き写しですよ。昨日やっと完成したんですよ」

「書き写し? オメーいつのまにそんな事してたのかよ」

「してましたよ。大半の放課後はそれに費やしてましたよ」


「凄いな・・・。見てもいいか?」

「どうぞ」


 オレは書き写した魔物の解体書をサハル先輩に渡す。サハル先輩は受け取った本を黙読をすると、イゼベル先生たちも一緒も見て黙読を始める。オレは残っている魔物の解体をする。


 何か真剣に黙読してるんだけど。もしかして今まで見た事なかったんですか? イゼベル先生は見た事ありますよね? オレたちよりも長く冒険者やってるから、今更見なくてもいいと思うんですが。


 サハル先輩たちは動物と魔物の解体を忘れ、本を黙読をする。


「・・・あのそろそろ返してください。オレも必要なんですが」

「あ、悪いな」


 サハル先輩は本を返してもらう。イゼベル先生たちは元いた場所に戻る。オレは最後に残ったミニーケンを解体するために、本を開いてミニーケンを探す。見つけたら開きっぱなしにして、ミニーケンを解体をする。


「ラザが解体してるのは、クラーケンの一種ですよね?」

「そうですね。あのデカいクラーケンがここまで小さくなった、ミニーケンです」

「それもクラーケンとあまり変わらない、強さを持ってますよね? イゼベル先生は何処まで強いんでしょうか?」


「分かりませんね。イゼベル先生の事です。1人でドラゴンを殺せるって言ってきても。オレは何も不思議と思いませんね」

「「「分かる」」」


 分かってしまうほど、イゼベル先生は強い。


「・・・少し先の話ですが、先輩方は卒業が近づいてますが。クラスの方は大丈夫ですか?」

「あぁーもうやべぇ―状態になっている。期末試験があるせいか既にもう雰囲気が、ピリピリし過ぎでいずれぇ・・・」

「おれたちは冒険者になるから、ほぼ勉強はいらないせいか。他の生徒から白い目で見られるんだよな・・・」

「自分たちで選んだのに、白い目で見てくるのは可笑しいと思うのですが」


「同感ですね。ワタシたちは自ら進んで、冒険者になろうとしてるのです。他の生徒たちも進んでその道を選んだのに、何で白い目でワタシたちを見るのか。全く理解できません」

「そんなほっとけばいいんだが、どうも気になってしょうがねぇ。このまま何も無ければいいが」

「少なくても先輩たちに手を出したら、返り討ちになるのが目に見えてきますよ」


「かもな。なぁラザ、ラザが終わってからいい。本貸してくれねぇか?」

「いいですよ。そのミニトリスは羽を綺麗に毟ってくださいね」


 スティース先輩はそれを聞いて、ミニトリスの羽を毟り取る。


「卒業試験とは違うが、ラザは進級試験の勉強って大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ。進級試験の範囲は教えてもらっているので、前々から勉強は出来てますよ」

「そっか。ラザの担任はイゼベル先生だから、進級試験の実技が大変だろうって思っていたが。心配ない無いようだな。因みに内容は?」


「自分の得意な属性魔法を使って中級を発動すること、空間収納魔法を使えるようにする。これだけですね」

「ちゅ、中級魔法に空間収納魔法・・・。鬼だろ、絶対に鬼だろ」

「1年生が習う内容では無いですね。これだとかなり早い進みで授業を受けているのでは?」


「意外とそうでも無いですよ。普通の内容なら他のクラスと同じですよ。ただ実技の進みが早いんですよ。お陰でウチのクラスの生徒たちは、ほとんどが無詠唱で魔法が発動出来ますよ」

「無詠唱は2年生でならう内容だろ・・・」

「そんなの関係無いようですよ。前に聞いたんですが、本人曰く「習うのははぇー方がいいだろ」って言ってましたよ」


「何故だが分かってしまうのは、イゼベル先生の授業を受けてきたからでしょうか・・・?」

「そうですね。でも2年生に上がる時は、違う担任になってると思います」

「いやラザのクラスだけ、クラス替え無しでいいじゃないか? 違うクラスになったら馴染めないと思うが」


「大丈夫だと思いますよ。多分」

「多分って・・・」

「あ、ミニーケンの解体が終わったんで。スティース先輩に本を貸しますよ」


「ワリィ助かるわ」


 オレはスティース先輩に本を貸す。オレはイゼベル先生の所に行って、解体が終わった事を報告をする。イゼベル先生はオレが解体をしていた所に行って、解体をしたものを見る。合格だったのか解体をしたものは回収される。イゼベル先生に帰ってもいいっと言われるが、スティース先輩に本を貸しているので、オレはスティース先輩の解体が終わるまで待つ。

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