第4話 笑われた
ぐうたらしおうとしたらドアがノックされる。面倒だなと思いながら起きて、ドアの方に行ってドアを開ける。
「はい。どちら様で?」
「あ! 俺エリオット・ヘンリー・パーネル! 長いからエリオットでいいぜ!」
「どうも。ラザ・メルト・カルバーンです。長いのでラザでいいです」
何でここにエリオットがいるんだ? 部屋が隣だったか?
「よろしくなラザ! ところでさぁお前って・・・」
な、何だ? オレがこの先の事で何か文句でも言いに来たのか!?
「暗殺者を志望してるのか?」
「――――――はい?」
「いやさぁ、ラザは名前を呼ばれるときに急に現れたじゃん。あれ見て思ったんだ。ラザは王都の陰で暗躍する、暗殺者になりたいって思ってるのかって」
「あぁ・・・。オレは普通に冒険者になりたいですね」
「えぇー勿体ないなー。カッコいいのに・・・」
確かにかっこいいかも知れないけど。基本的に汚れ仕事みたいなものだぞ。多分。
「まぁ何になるかはラザの勝手だよな! 悪い、勝手な事を言って!」
「大丈夫ですよ」
「そっか! じゃあ俺は隣の所に挨拶してくるわ。じゃあな!」
エリオットは他の所に行く。
元気があるな~・・・。さて次こそはぐうたらするぞ。
オレはドアを閉めて施錠をする、ベッドの所に行ってベッドに横になる。
次の日の朝、8時25分。気配遮断を使いながら机の横にカバンをかけて椅子に座り、先生が来るのを待つ。待っているとイゼベル先生が来る。
「オメェーら席に着けー」
生徒たちは先生にそう言われ、生徒たちは席に着く。
「今日の予定だが。先に自己紹介して9時10分には校内案内をする。案内中に教科書などを受け取るから、そこのところは憶えておけよー。じゃあ先ずは自己紹介」
イゼベル先生はそう言うと、一番右側の生徒から席から立って自己紹介をしてくる。
あぁ~どうしよ・・・。貴族じゃない人もいるけど、貴族もいるんだよな。どうやって自己紹介しよ・・・。普通にちょっよそっけなく自己紹介すると、不敬罪! 何て言われないよな・・・。
「―――おいラザいるか? いるなら次はお前の番だ」
「えっ!? あ、はい!」
オレは気配遮断を使うのをやめて、その場で立ち上がる。その際に先生も含め生徒たちに驚かれる。
「ラザ・メルト・カルバーンです。長いのでラザでいいです。特技は気配遮断です」
「ぷっ。気配遮断が特技とかダッサ」
笑われた・・・。
「ダサいって言うけどさー。アンタ特に特技が無いくせによく言うよねー」
「そうだそうだ! 特に特技が無い奴が言うんじゃねー!」
「なっ・・・! わ、ワリィ・・・」
「い、いえ気にしてません・・・」
「おいラザ。お前が気配遮断を使えるのは分かった。だが授業中や運動会みたいな時は使うな。探すのがメンドクサイ」
「分かりました」
オレはそのまま席に座る。そのまま自己紹介が続き、生徒全員が終わる。
「んあ? 終わったのか。時間はまだ少しあるし、授業をするぞ」
「「「「「えぇー」」」」」
「えぇーじゃない。わたしはサッサと終わらせてぇんだよ。文句あるやつは鉄拳が飛ぶぞ」
イゼベル先生は両手でポキポキと鳴らしながら、オレたちを見る。
「「「「「すみませんでした」」」」」
ゲームではこんな事にはならない。っと言うか、どう記憶を思い出してもあんな先生はいなかったぞ。
「よし。じゃあオメェーらが最初に憶えると事は『魔法』だ。魔法って言っても属性魔法だ」
イゼベル先生はチョークで黒板に来ていく
「『火』『水』『土』『雷』『風』『氷』『光』『闇』合計8を憶えてもらう」
「せ、先生! そもそも魔法の説明はしてくれないのですか!?」
「あぁ? そこら説明をしねぇといけねぇのかよ・・・。『魔法』とは魔力を持って無い人には出来ない、不思議な現象を起こすものだ。だが、それは昔の話で今は誰でも魔法は使える。『魔力』って言うのは、身体の中にある物で血液みたいに身体中に回ってると思え」
イゼベル先生は一度時計を見る。
「そろそろ時間だ。廊下に出て適当に並べ」
オレたち生徒は立ち上がり廊下に出て、校内案内が始まる。最初に自分たちがいる2階から説明が始まり、次に2年生の3階と3年生の4階に行って説明を受ける。
「あの。ラザさん、ですよね?」
オレは右から声が聞こえた方を見る。話しかけてきたのは、早くも高嶺の花と言われたエメリー様だった。
「そうです。オレがラザです」
「私はエメリー・ローレン・ウィドリングトン。長いのでエメリーでいいです。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「お、エメリーはやっとラザに挨拶できたんだ」
「はい。昨日のうちに挨拶しようとしたですが、すぐに消えていたので・・・」
気配遮断を使っていたからな。ついでにエリオットを尾行してたからな。
「あ、アタシはエディス。アタシは平民だけど、仲良くしてくれる?」
「大丈夫ですよ」
「良かった~。これで不敬だ! とか言われたどうしよ~って思ったよ」
「もうエディスは。ラザさんはそんな人じゃ無いって言いましたよ」
何で分かるんだ?
「そうだね! ところでラザはさぁ、何で気配遮断を身に付けたの? もしかして、覗きに使うとか!?」
「えっ・・・・・・」
エメリー様は顔を青くして、軽蔑するような目で見るが。エディスは面白そうな顔をしてる。
「あのですね・・・。オレが自己紹介の時に言った時点で、イゼベル先生に目を付けられてる事くらい分かりますよね」
「うん」
「えっ? え、えぇ私も勿論分かってましたよ!」
絶対にエメリー様だけは分かってなかったな・・・。
「身に付けた理由は、この先必要だと思ったからですよ」
「覗くために?」
「・・・次言ったら怒りますよ」
「冗談だよ。ラザは真に受けやすいな~」
雑談をしながら5階は実験室や音楽室とか調理室。1階職員室や保健室など。隣の校舎は各科目の教室の説明で終わり、今は体育館にいる。
「オメェーら。学生証の準備しとけよ」
イゼベル先生にそう言われ、学生証の準備をする。教科書などを貰うために並び始める。教科書を貰ったら、まだ行ってない所に行ってそれが終われば教室に戻る。