表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/177

第36話 当然のように

「ハァ・・・ハァ・・・。お、終わりか?」

「・・・・・・どうやら終わりみたいだな。つ、疲れた・・・」

「ふぅ・・・。使い魔がいなかったら、今頃死んでましたね」


「そうだな・・・。あぁ~当分動けねぇーぞ。騎士団はまだか?」

「そう簡単には来ないだろ。機動隊でどれだけ早く来るか、分からないからな」

「出来る事なら、早く来てほしいものですね」


 休憩をしていたら、左右からまたゴブリンが現れる。


「おいおいおい! まだ出てくるのか!? ふざけるんじゃねぇぞ!!」

「・・・無理ですね。使い魔たちも疲弊してます。同時にワタシたちも。これは今度こそ死にますね」

「あー! 短い人生だったな!」


 すると、ゴブリンどもの上から粉雪らしきものが降っている。その粉雪がゴブリンどもに触れたところからどんどん凍ってく。 


「お、おい。どうなってやがるんだ? 何でゴブリンどもが凍ってるんだよ・・・」

「し、知らないよ。誰かが魔法で凍らせてるんじゃないか?」

「ですが、こんなことが出来るのでしょうか?」


「――――――ペールさん? 何でじわじわと凍らせてるですか? 一気に凍らせた方がいいのでは?」

「クゥゥゥゥゥゥ」

「わっ、顔が完全に悪い人の顔だ。その顔は止めてくれよ」


 オレは歩いてスティース先輩たちの方に行く。


「良かった。生きてましたか!」

「ラザ・・・。オメーなに戻ってきやがってるんだ!? 死にてぇのか!?」

「別に死ぬ気は無いですよ。先輩方は動けますか」


「今動けないんだ。ここで休んでからすぐに下に下りるよ」

「そうですか・・・。オレは先に進むんで、先輩方はそこで休んでください」

「はぁ!? オメーは先に進む気か! オメーもここに残れ。いつか騎士団が来るんだろ。それまでここで待ってろ」


「でも先生方は戦ってるんですよね。なら加勢に行きますよ」


 オレはそう言ってペールと一緒に気配遮断を使い、走って先に進む。


「待ちやがっ―――もう消えやがった・・・」

「あ、相変わらず気配遮断は凄いですね」

「アイツ絶対に冒険科じゃなくって、暗殺科に行くべきだろ」


 走りながら氷魔法でゴブリンを殺して行く。


 あんまり魔法を使うと、魔力が無くなってしまうな。もう少し魔法を使うのを抑えないと。着いたときに魔法が使えないってなっていたら、来た意味がないよな。


 走っているとマルル先生を見つける。オレは気配遮断と解かずに、そのままゴブリンを斬り殺す。ペールは魔法を使いながら殺して行く。殺し終わったらマルル先生を見る。身体はボロボロで地面に跪いてるが、命を落とすことは無いと思う。


「――――――ど、何処にいるかは・・・、わ、分かりませんが・・・。言っておきます。今すぐに逃げてください」

「マルル先生。それは聞けません。オレはイゼベル先生とロヴァン先生の所に行きます」

「――――――っ却下します」


「すみませんマルル先生。説教は後でいくらでも聴きます」


 オレはそう言ってペールと一緒に走って先に行く。


 後はイゼベル先生とロヴァン先生だけど、イゼベル先生は無事としか思えない。あの人が負ける所なんて見た事が無い。オレ含め13対1でも、余裕でイゼベル先生が勝からな・・・。イゼベル先生より心配なのはロヴァン先生の方だな。間に合うといいが。


 もう少し早く走ると、ロヴァン先生らしき人物が見えた。更に進むとイゼベル先生らしき人物を見つける。オレは気配遮断を解いて、そのままゴブリンの方に行って斬り殺す。


「―――ラザか!? なにしに来やがった。だか今はいい、お前はロヴァンを護れ!」

「分かりました!」


 あの人当然のように無傷だな!


 オレとペールはロヴァン先生の所に行く。ロヴァン先生を見るとかなりボロボロになっていた。だが運が良く、身体に剣や短剣などが刺さって無かった。オレはペールにオレとロヴァン先生の周辺にいる、ゴブリンを近づかせないように言う。ペールは頷き、氷魔法でゴブリンを殺して行く。オレは空間から応急手当が出来る道具を出して、ロヴァン先生の傷を治していく。


 これで良し。応急手当が出来て良かった・・・。正直1人でやるものじゃないけど。


 道具を空間の中にしまって。オレはすぐにイゼベル先生とペールの加勢に入ろうとしたら、常にゴブリンたちは死体に変わっていた。イゼベル先生とペールがこっちに来る。


「おいラザ、わたしが言いてぇこと分かっているよな?」

「はい・・・。勝手に王都から出て助けに来てしまい、すみませんでした」

「分かってるじゃねぇか。お前の説教は後だ、今は逃げるぞ」


「はい」

「よし。ならお前は―――、避けろ!!」


 瞬間。ラザは左腹から棍棒が当たり、そのまま右側に吹き飛ばされる。わたしはラザが吹き飛ばされた方を見る。すぐにペールがラザの所に行く。わたしはラザを拭き飛ばした奴を見る。


「ゴブリンキングか・・・。てめぇはなにわたしの可愛い教え子に手ぇ出してんだ? 肉塊にされる覚悟は出来てるだろうなぁ!!」


 素早く移動して剣でゴブリンキングの右足を斬る。右足を切断されたゴブリンキングは跪く。剣を投げ捨てて空間から斧を出して斧で斬っていくが、最後まで斬らずに違う所を斬って、また違う所を斬る。それを繰り返し言葉通りにゴブリンキングを「肉塊」に変えていく。


「はぁ・・・はぁ・・・、わたしの可愛い・・・教え子に手ぇ出すから・・・こうなるんだ・・・・」


 斧を肉塊に刺して、わたしは少し後ろに下がりその場に座る。


 あぁー疲れた・・・、もう動きたねぇー。でも駄目だ、ラザの容態を確認しねぇと。


 立ち上がりラザの方に行く。ラザの所に行くと、ペールはラザの身体の一部を冷やしている。何処かの骨が折れたのだろう。手首を握り脈を確認をする。


 まだ脈は動いてる。まだ死んでねぇ。しっかしどうするか。ロヴァンだけならいいが、ラザも一緒に運ぶのはちょっと厄介だな・・・。とりあえずラザの応急手当を―――。


 小さい音だがこっちに何かが来る。わたしは空間から剣を出して構える。音はどんどん大きくなる。そしてわたしはこの音に気付く。馬が走っている音だと。目視出来る距離まで馬が来て、馬に魔道具が装備されているのを見て、わたしは騎士団が来たと確信した。騎士団はこちらに来てその場で止まる。


「無事でしたか!」

「あぁ何とかな。来て早々悪いが、生徒と教師を至急病院に連れて行ってくれ」

「分かりました。残りのゴブリンは、我々が掃討しておきます」


「頼む」

「イゼベル先生! ラザは、ラザは無事なのですか!!」

「なっロザリー。お前まで来たのか!? ラザは生きてるが、重傷だ。そこのお前、なぜロザリーがここにいる?」


「ロザリー様が「意地でもついて行く」と言われましたので。致し方がなく連れて来ました」

「お前クビになるぞ・・・」

「その覚悟は出来てます」


「イゼベル先生。私はこのまま騎士団と共に、ゴブリンの掃討に当たります」

「駄目だ。っと言いたいが、どうせ聴かないだろ。責任はわたしが持つ。生きて帰ってこいよ、じゃねぇと説教が出来ねぇからな」

「はい!」


 わたしはラザとロヴァンを見るが、常に馬で移動しているようだ。わたしも誰かの馬に乗っている騎士の後ろに乗り、王都に帰る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ